桜内文城先生衆議院予算委員会質問(平成26年10月6日)


桜内委員 次世代の党の桜内文城です。

 きょうは、生活保護や年金等、社会保障について主にお聞きしたいと考えておりますが、一言だけ、先ほどの慰安婦問題に関する議論で意見を申し上げたいと考えております。

 先ほど山田議員が配付資料としてお配りした中の朝日新聞の一九九二年一月十一日の記事の中に、「軍関与は明白 謝罪と補償を」というふうな吉見義明中央大学教授の話も書かれております。ちなみに、私は、彼から、慰安婦制度が性奴隷制度であったと主張している方々に対してこれは捏造と申し上げたところ、今、名誉毀損訴訟の被告となっておりまして、そういった意味で、国会ではありませんけれども、司法の場で闘っておるところでございます。

 先ほど外務大臣から謝罪ということについての政府のお考えをお聞きしたところですけれども、私、ここは、特に外交という場においては謝罪をするということの意味合いについてやはりしっかりと考えなくちゃいけないと思うんです。

 山本七平が以前書籍の中で書いておりますけれども、日本社会の中でいえば、何か悪いことをした、子供のころから、ごめんなさいと言えというふうにしつけられるわけですよ。もし、ごめんなさいと言わなければ、やったことよりももっとひどいやつだというふうなしつけがなされていて、日本人同士であれば、日本社会の中であれば、まず謝罪をする、そうすれば責任が解除されるというふうに彼は書いているわけですけれども、しかし、宗教や生活環境あるいは社会のお互いの考え方の違いというのはやはりありまして、恐らく日本以外では、全ての社会において、謝罪をするということはみずからの罪を認めること、神の前でみずからの罪を認めることというのは、地獄に落ちても仕方ないし、殺されても仕方ないというのが世界の常識だと書いてございました。

 したがいまして、ぜひ、外務省、特に外交をつかさどる大臣でいらっしゃいますから、やはり、謝罪ということをもしされるのであれば、今言ったような、日本国内で日本人同士で頭を下げてごめんなさいという話ではないということをしっかりとわきまえておいていただきたいと思います。

 さて、では、本題の社会保障、最初に生活保護についてお尋ねをいたします。

 きょう、パネルと、それから配付資料も、ちょっと順番が前後して申しわけないんですけれども、中ほどに色刷りの「標準三人世帯における生活保護基準額と一般勤労世帯の総収入との関係」という、厚生労働省が作成した資料が入ってございます。よろしいでしょうか。

 これによりますと、標準三人世帯ですと生活保護基準額二十四万四千九百七十円、約二十五万円近くでありますけれども、この水準を一応頭に入れておいていただきたいと思います。

 そして、配付資料の中ではその次のページに、年齢階層別被保護人員の年次推移というのが入っております。これは、ここ数年、特に六十歳以上の方の保護率、保護人員の数が随分伸びておる。これも厚生労働省の資料でございます。

 そして、ここでやはり問題とされていますのは、若い方、まだ働ける年代の方々、二十代、三十代、四十代、五十代の方々の保護人員が随分ふえてきている。働けるのに、生活保護に陥ってしまって自立が阻害されている。

 そして、次のページもぜひ見ていただきたいのですが、不正受給というのが平成二十三年度に三万五千五百六十八件、百七十三億、これは稼働収入の無申告や過少申告が主な理由となっているということでございます。

 そして、次のページですけれども、生活保護費の負担金のうち、大体約半分が医療扶助に使われておる。生活保護を受けていらっしゃる方は、病院等へ行きましても無料で診療が受けられる、薬も無料でもらえる。

 きょうの本題であります外国人に対する生活保護の実態について、一番最後のページにつけております。

 平成二十三年の調査によりますと、被保護外国人世帯数が四万三千四百七十九世帯あるそうでございます。そして、人員で申しますと、二十六年六月の、ことしの六月ですね、速報値ですと、人数でいうと七万四千四百八十二名、そして生活保護費というのが平成二十四年度で三兆六千億の大変な巨額に上っておりますので、これに対して、この人員数からしますと、約一千二百億円程度が外国人に支給されているのではないかということであります。

 まず、この実態について、厚生労働大臣、どのようにお考えになるか、お聞きいたします。

塩崎国務大臣 桜内先生から今、現状についていろいろと御指摘をいただきました。

 まず最初の標準三人世帯のこれでございますけれども、生活扶助基準については、所得税や社会保険料等の支出が含まれていない、一般低所得世帯の消費実態との均衡を適切に図るということが、五年に一回、検証するということになっています。

 先生が恐らくおっしゃりたいことは、余計に払い過ぎていないかということではないかなというふうに思うわけでありまして、この検証結果を踏まえた上で、二十五年の八月から二十七年まで、三年程度かけて段階的に必要な適正化を図るということを今やりつつあるわけでございます。

 さらには、住宅扶助あるいは冬季加算などについても、社会保障審議会の生活保護基準部会において議論を進めておりまして、同部会での専門的かつ客観的な検証結果を踏まえて、年末までに平成二十七年度における必要な見直しを行っていきたいと思っています。

 今、高齢者が特にふえているということがまず第一点。そして、若い人もふえているじゃないかということでありますが、確かに、高齢化に伴ってこういう高齢者の生活保護世帯がふえているということについては、十分認識を踏まえた上で対処しなきゃいけませんし、若者については、我々、年金にもかかわることですけれども、やはり働く機会を多くしていって労働参加をしてもらうということが実は年金の制度の安定にもつながるということでもありますので、これについても、さらに働き方の多様化というのをやっていくということが大事じゃないかなというふうに思っております。

 不正の問題については、確かに、ここにあるように毎年増加しているということですが、この増加した要因としては、生活保護の受給者が増加する中で、福祉事務所で、これまでに比べて特に力を入れて、税務担当部署の課税情報と被保護者の方からの収入申告額とを突き合わせる課税調査、それから被保護者の方の年金加入状況や受給額を確認する年金調査など、保護の決定、実施に係る業務を適切に取り組んできているわけで、そういう中からこういうものが出てきているということで、出てきていること自体が決していいわけではもちろんないのは言うまでもないわけで、今後とも、支給に際しては、収入申告義務があることを周知徹底するなど、適正な保護の実施に努めるとともに、今般の法改正に盛り込まれております福祉事務所の調査権限の拡大、こういったもので取り組みをしっかりとやって、不正受給の対策をやっていきたいと思っています。

 医療費の問題は、医療費を、言ってみれば一番の目的にするという方もおられるやの報道などもたくさん聞いているわけであって、これについてはよく考えていかなければいけないというふうに思っております。

 外国人の問題については、恐らくまた先生からいろいろと御質問があろうかと思います。

桜内委員 ありがとうございました。

 塩崎先生とは、役人の時分から随分御指導いただきまして、また選挙区も隣ということで、日ごろから大変尊敬申し上げておるところでございまして、きょうは胸をかりるつもりで質問させていただきます。

 その外国人の関係ですけれども、御承知の方も多いと思うんですけれども、ことし七月に最高裁で重要な判決がございました。これによりますと、要は、外国人というのは生活保護法の対象ではない、生活保護法の対象ではないけれども、昭和二十九年の厚生省の通知によって行政措置として生活保護に準ずる支給が行われているものだというふうな判決が出たところでございます。

 実態なんですが、先ほどお示しした資料の中でいいますと、一番多いのが韓国または北朝鮮の国籍の方々なんですね。世帯数でいいますと、平成二十三年時点で二万八千七百九十六世帯。

 これが多いのか少ないのかわからないと思いますので、比較できるように少し申し上げますと、直近のいわゆる保護率というのがありまして、生活保護全体でいいますと、人口千人当たりでいいますと十七人の方が生活保護の対象となっているというのが厚生労働省の数字でございます。

 これに対して、では、この韓国または北朝鮮の方々、世帯ベースで少しベースが違うんですけれども、千世帯あるとして一体何世帯が生活保護受給世帯になっているのか。これは驚くべき数字でありまして、きょうの朝、ようやく厚生労働省から数字をいただいたんですが、百四十二世帯だそうです。桁が違うんですね。

 これは、人数ベースは残念ながら厚生労働省も把握していないということでしたけれども、把握していないということ自体、どうかとも思います。

 というのは、最高裁の判決にもありますように、外国人が生活保護法そのものの対象ではない。であるとすれば、行政措置で当分の間ということでやっているのであれば、その行政措置に基づく生活保護に準ずる措置を、どの国籍の人に対して幾ら払っているのかということを把握するのは当然じゃないですか。それを全くなされてこなかった。先ほども言いましたように、昭和二十九年の通知に基づいて、もう六十年ですよ、当分の間ということでこのような取り扱いがなされてきた。

 もちろん、特に、今申し上げました韓国または北朝鮮の方々というのは、特別永住者ですとか、いろいろな経緯があってのこととは理解いたしますけれども、しかし、先ほど申しましたように、保護率が桁が違うんですよ。

 いいですか。生活保護全体でいうと千人のうち十七人。これに対して、韓国または北朝鮮の方々、世帯で見ると、千世帯に対して百四十二世帯が保護の対象になっている。この現実について、厚生労働大臣、どうお考えでしょうか。

塩崎国務大臣 先生御指摘のように、さきの最高裁の判決で、ことしの七月十八日に、かつて昭和二十九年に厚生省の社会局長の通知というのが出ておりまして、ここで、そこに書いてあることが、事実上の保護を行う行政措置として、当分の間、同法に基づく保護の決定実施と同様の手続により必要と認める保護を行うことを定めているものだということでございます。

 先般、総理からも答弁申し上げたとおりでありますけれども、やはり、外国人については生活保護法の適用がなくて、本年七月の、今の最高裁の判決のとおりの考え方が示されているわけでありますけれども、この判決では、外国人の保護については行政措置により事実上の保護の対象となり得ると言及されていて、現行の運用が容認されたものと考えております。

 また、外国人に対する保護を法定化することについては、生存権保障の責任は一義的にその人の属する国家が負うべきであるとの考え方に立ちつつ、人道上の観点からの保護を行っていることを踏まえれば、行政措置にとどめるべきものだというふうに考えているわけであります。

 当分の間ということでありますけれども、外国人に対する保護については、人道上の観点から当分の間行政措置を、支給するということを、今申し上げたとおりでありまして、特定の期間を想定しているものではないというふうに思っております。

桜内委員 それがおかしいと申し上げているんです。

 隣国のうちには、いわゆる親日禁止法という法律まで定めている国があります。先ほど申しました慰安婦問題等も抱えているところでございます。その方々の、国籍をお持ちの方々の保護率が、桁が違うんですよ。これをほっておくということがいかに国益を損することになるのか。やはりこれは国務大臣としてよく御検討いただきたいというふうにお願いをしておきます。

 そして、何が違うのかと申し上げますと、先般の代表質問の折に、安倍総理からもこの件について少し御答弁いただきました。衆議院の、速記録ですのでちょっと不正確かなと思うところもあったんですが、現在、外国人については生活保護の適用はありませんという御答弁をいただきました。これは恐らく、保護法の対象、適用はないということの間違いだと思いますので、これは訂正を後ほどお願いしたいと思います。

 それはさておきまして、総理のこういった御答弁があります。このような保護は人道上の観点から行政措置として行われるものであり、今、これを見直すことは考えておりません、これは僕は相当問題だと思っております。

 なぜならば、私も以前大蔵省に勤めておりましたけれども、役人の仕事、行政官、あるいは行政機関の長である総理大臣のお仕事というのは、まず予算と法律の適正な執行にあるはずなんですね。

 この生活保護法について言えば、この最高裁の判決の中でも触れられておりますけれども、戦後すぐの旧生活保護法上は外国人も対象とされていたんですね。それをわざわざ、今の生活保護法に変えたときに国民に限定した。しかしながら、サンフランシスコ条約等があって国籍の問題が生じた方々がそれ相当にいらっしゃるので、昭和二十九年に今ほどの行政措置を行う旨の通知を発出されて、現在に至るまでそれが適用されてきておるということなんですが、最高裁が、まさに立法者の意思として外国人を生活保護法の対象ではないという判決を出したわけですよ。

 にもかかわらず、法律が想定していないものを行政措置でやって構わぬというふうに強弁されるのは、これはおかしいと思います。法律に基づく行政の原理というものがあります。

 ですので、本当に対応しようと思うのであれば、今、私どもの方でも議員立法で準備しておりますけれども、生活保護法とは別に、例えば外国人緊急支援法であるとか、本当に急に生活にお困りになった方に、別の法律でもって生活保護に準ずる措置を一定期間に限り与えるとか。それを永遠に、これまで全く期間の定めもなく、当分の間といって六十年以上もこのような措置を続けてきた。その結果、先ほど言った実態ですよ。保護率が桁が違うんです。この状況を見過ごしてよろしいんでしょうか。

塩崎国務大臣 桜内先生、この判決をごらんになっておられると思いますが、先ほども申し上げたとおり、この判決の中に、通知によって同法に基づく保護の決定実施と同様の手続により必要と認める保護を行うことを定めたものだということで、その次に、外国人は、行政庁の通達等に基づく行政措置により事実上の保護の対象となり得るにとどまり、生活保護法に基づく保護の対象となるものではなく、同法に基づく受給権を有しないものと言うべきであると。

 ですから、今先生もおっしゃったように、生活保護法の法的枠組みの中ではないんだということを最高裁もことしの七月に言いながら、外国人に対しての行政庁の通達等に基づく行政措置により事実上の保護の対象になり得るということですから、今それぞれの市町村が判断でやっていることについて、特に異を挟んでいるわけではないというふうに解すべきではないかというふうに思います。

桜内委員 その解釈がおかしいと申しているんです。

 要は、これは生活保護法の対象にならないと判決が言っている以上、現下の財政状況が大変厳しいのはもう御承知のとおりだと思います、生活保護を初めとする社会権と言われるものは、国家に対する権利であって、そういった意味では、政府の財政状況にやはり左右されざるを得ない権利であるわけです。

 さらに言えば、先ほど何度も言っていますけれども、保護率が桁が違うんです。これを放置したまま、年間一千億を超える金額がこういった形で外に出ていっている。また、少なくない不正受給も見られる。こういった状況について政府が何もしないということは僕はあり得ないというふうに考えております。

 この問題ばかりやっておっても時間が足りませんので、次に行きます。

 次は、資料にもつけましたけれども、ちょっとややこしい話ではありますが、年金財政について、財政検証というものがことし六月に厚生労働省から発表されております。

 これは、五年に一遍、財政検証をやって、年金制度が持続可能なものなのかどうかをしっかり検討しましょうということで、お手元の資料では、何かややこしい計算式を書いております。留学先の大学院でも先輩に当たる塩崎大臣ですので、このぐらいはちょいちょいと御理解いただけるだろうと思ってお出ししたんですが、問題点のところを赤で丸をつけております。全要素生産性上昇率、そして利潤率というのがどうなのかということをなるべくわかりやすくお伝えしていきたいと思っております。

 二枚目、おめくりいただきたいんですが、今パネルにしておりますけれども、これは、私がややこしいものを書いたわけじゃなくて、これは厚生労働省の資料ですので。

 ここも赤丸をつけておりますが、今申しました全要素生産性上昇率、これは何かというと、GDPの成長率のうち、労働力がふえたですとか資本がふえたですとかで説明がつかない、よくわからないところを、残差を全要素生産性という美しい名前で呼んだだけの話でありまして、ここはなかなか経済学上も説明がつかないところなんですが、こういった概念がございます。

 そして、年金の場合、運用利回りというのが大変重要な前提数値になるんですけれども、そのもとになるのが、利潤率という概念があります。ただ、この利潤率というのは、国民経済計算体系といいますGDP統計上は確定した概念ではなくて、ここでわざわざ厚生労働省が使われておる数字ですが。

 次が、問題の、図をちょっと出してみます。パネルにもお示ししておりますけれども、どういうことか。これは、一番左側にあります〇・五%、GDPの成長率に対する寄与分なんですけれども、これが二〇一三年度第三・四半期の実績といいますから、去年の今ごろの話ですね。景気が悪いものですから、〇・五%しかなかった。内閣府試算経済再生ケースというのが、二〇二三年にはこれが一・八%まで急上昇するという。ケースAに至ってはそれが百年後まで続くということになっています。

 一・八%というのは一体何なのかといえば、一九八三年から一九九三年の平均なんですね。いわゆるバブル真っ盛りのころで、バブルが崩壊してもう二十年がたとうとするときに、こういったとてもあり得ない想定を、このようにケースA、B、C、D、Eと、五つもおつくりになっていらっしゃいます。

 それはちょっとやはりさすがに気が引けたのか、厚生労働省も、あと三つ、別のケースとして、やや低目の、一九八三年から二〇〇九年の平均、三十年近くの平均で、一%までだったらまあ許されるかなということで、ケースF、G、Hというふうに、三つつけられております。

 まず、全要素生産性上昇率の設定の仕方自体、あの、例のバブルのころが今後百年続くなんていう想定がケースAなんですね。とてもこれは信じられません。

 そして、もう一つ重要な問題点が利潤率でありまして、次のページ、お手元の配付資料をめくっていただきたいんですけれども、これによれば、これも赤丸をつけておりますけれども、利潤率と実質長期金利の相関係数、過去十五年、〇・〇四です。こんなもので、相関係数を使って、利潤率がここでは七・三五%というふうに計算されているんですけれども、あり得ないですよね。

 あり得ないということをお示しするために、もう一つ、きょうはお手元に、A3判の、これまた数字がいっぱい入ってややこしいものなんですが、塩崎先生と思ってややこしいものをあえてお持ちしたんですけれども、これです。

 これも赤でくくってあるんですが、付加価値を固定資産で割り算して利潤率というのを求めているんですね、厚生労働省は。

 ところが、実際には、経済循環というのはいろいろありまして、下の方に丸をつけておりますが、正味資産の変動、特に再評価による正味資産の変動、これはいわゆるキャピタルゲイン、ロスを意味しまして、株式投資するときに、配当以外に株価自体が上がるかどうかなんですけれども、これが入っていないんですよ、残念ながら、厚生労働省の利潤率の計算の中に。

 ですので、七・三五%のような非現実的な数字があって、本来であれば、次のページも数字がいっぱいでややこしいので大変恐縮なんですが、下の辺で枠で囲ってある部分、六十三行から六十四行のところなんですけれども、過去十九年間で利潤率がマイナスの年が十五回あるんですね。こういったことを全く考慮されずに、今回財政検証をされている。

 塩崎厚生労働大臣、ちょっとこれ、計算をやり直した方がいいんじゃないかという提案なんですが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 桜内先生の公会計の授業を聞いているような感じがいたすわけでありまして、いっとき大学でも教えていらっしゃったほどで、実はさっきの、自民党の行革本部でも、随分公会計で御尽力いただいたのを改めて感謝申し上げたいと思います。

 私にこのややこしいのを出していただくのは結構なんですが、やはりテレビで見ていらっしゃる皆さん方にわかりやすいものの方がいいかなとちょっと思ったりはしますが。

 まず第一に、全要素生産性ですね。ここにあるのは、非現実的だというお話がありましたけれども、ここは確かに、一・八と一・〇というのがありますね。この一・八というのは、八三年から九三年ですから、言ってみればバブルの真っ最中、おっしゃるとおりです。しかし一方で、一・〇というのは、八三年から二〇〇九年ですから、これはまさに失われた二十年を含んだ時期であるわけで、これが一ということであります。

 それで、今先生、一・八がそのままずっと百年いくということをおっしゃいましたけれども、必ずしもそうじゃなくて、それはケースAの場合であって、ケースBだと一・六、ケースCだと一・四、一・二、一・〇ということで、一番低いのが〇・五ということで、直近の二〇一二年並みということなので、幾つかやはりパターンを分けて、八ケース今回お示しをしたという前提の一つに、この全要素生産性が大事な前提として入っているわけであります。でありますから、そんなに非現実的なことをやっているわけではないということをまずはっきりわかっていただきたいということと、それから......

大島委員長 塩崎大臣、時間があれですから、わかりやすく答弁してください。

塩崎国務大臣 はい、わかりました。

 株のキャピタルロスとかなんとかいうお話がありましたけれども、要は、これは、短期的なロスとかゲインとかいうものを入れるのではなくて、長い計算をするのが財政再計算でありますので、それをあえて入れずにリターンを試算するということで、長期的なリターンを試算する場合には、むしろこれを考慮しない方が一定の合理性があるんじゃないかということで我々は特に入れていないということでありまして、決して非現実的ではない、出っ張ったり引っ込んだりだけで判断するわけではないということを、年金は長い話ですから、しっかりと計算をしているものであります。

大島委員長 ありがとうございます。

 桜内さん、今度は、塩崎さんにだけわかる資料じゃなくて、先生方にもわかる資料を出してください。

桜内委員 はい。

大島委員長 これにて山田君、桜内君の質疑は終了いたしました。


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