山田宏先生衆議院予算委員会質問(平成26年2月20日)
山田(宏)委員 日本維新の会の山田宏でございます。
きょうの集中審議のテーマは、外交安保、そして歴史認識、公共放送等ということでございまして、きょう私は、一時間の持ち時間の中で、歴史認識として河野談話の問題、そして公共放送NHKの姿勢について、そして集団的自衛権、こういった昨今の一番関心の高い問題について御質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、河野談話についてお尋ねをしてまいります。
これはもう御存じのように、一九九三年、平成五年の八月四日に、当時の宮沢内閣の河野官房長官が発表した、いわゆる従軍慰安婦についての談話でございました。この談話がスタートとなって、現在、世界じゅうでさまざまなことが起きておりまして、この談話についてやはりきちっとお聞きをしておかなきゃいけない、こう考えておりまして、きょうは本当に貴重な機会をいただきました。
まず最初に、これをごらんいただきたいと思います。
これは、アメリカのカリフォルニア州グレンデール市における慰安婦像です。報道されておりました。この慰安婦像、在米の韓国人系のアメリカ人の方々または韓国人の方々が中心となって運動をされ、グレンデール市の公園に設置をされたものです。
いわゆるこの慰安婦像に碑文がございまして、ここにこういうふうなことが書かれております。「韓国、中国、台湾、日本、フィリピン、タイ、ベトナム、マレーシア、東チモールとインドネシアの自宅から連れ去られ、一九三二年から一九四五年の間日本の帝国軍に性奴隷状態を強制された二十万人以上のアジア及びオランダ女性を追憶して」云々、こう出ているわけです。
こんなこと、あったんですかね。自宅から二十万人以上の女性が連れ去られて、日本軍が性奴隷にしたということが掲げられたわけであります。
私は、この慰安婦の問題については、真実であればきちっと謝罪をすべき課題だ、こう思っております。しかし、仮に、事実でない、または歪曲された事実、または捏造された事実ということであれば、こういったものに対して、きちっと国の名誉をかけて、または先人たちの名誉のためにも、そしてこれから、皆さんのところで育っている子供たち、お孫さんたち、そしてそのまた子供、孫、子々孫々にわたって、こういった碑文の前で、我々日本人がひざまずき、こうべを垂れ、そして卑屈さの中にさいなまれてしまうということは、私は、我々の代でやめてもらわなければならない、こう思っておりまして、きょうは、そういった趣旨で御質問させていただきたいと思っております。
さて、こういう慰安婦像の話ですけれども、こういった像は、昨今いろいろなところで建てられております。ニュージャージー州のパリセイズパーク、ハッケンサック市、ニューヨーク州のウェストバリー、そしてこのカリフォルニア州のグレンデール、こういった似たような碑が建てられている、または像が建てられている。
さらに、各国でもさまざまな、いわゆる従軍慰安婦にかかわる決議が行われております。(パネルを示す)
一番上はアメリカの下院の決議ですけれども、二〇〇七年七月三十日、全部読んでいると時間がなくなりますから赤線を引いたところだけ読みますと、「日本帝国主義軍が強制的に若い女性たちを「慰安婦」と言われる性の奴隷にした」と断言しているわけです。
下のオランダ下院決議では、これも二〇〇七年十一月八日、「強制性奴隷制度」、こういう文言ですね。
カナダ下院決議では、「日本帝国軍のための「慰安婦」の性奴隷化や人身売買」「日本帝国軍が強制売春制度に関与した」。
さらに、欧州議会決議では、「若い女性たちを帝国軍の性奴隷にするためだけの目的で公務として徴用し、"慰安婦"制度は輪姦、強制堕胎、屈辱及び性暴力を含み、障害、死や自殺を結果した、二十世紀の人身売買の最も大きなケースのひとつ...、」とまで言われています。
こういったことについて、これが事実ならば、これは謝罪しなきゃいけませんよ。しかし、これは事実ですか。
事実かどうか、まず外務大臣にお聞きをしておきたいと思います。
岸田国務大臣 御指摘のように、グレンデール市におけるこの慰安婦像、さらにはこの碑文、こうしたものが設置され、また、各国において慰安婦問題に関する決議が採択をされております。そして、その中には、我が国の認識とは相入れないものが存在いたします。
こうした点につきまして、引き続き我が国の立場、また考え方、これはしっかり説明しなければいけないと思いますし、また、こうした問題は、決して外交問題化、政治問題化させてはならないと考えています。
山田(宏)委員 私は、事実であれば謝罪すべきだと思う。だけれども、捏造された事実であれば、これは断固、国の名誉をかけて反論しなきゃいけない。
もう一度お聞きしますけれども、官房長官、この線を引いたところ、これは事実ですか。
菅国務大臣 日本政府の立場、そうしたものや、これまでの取り組み等について、そうした日本政府の立場と異なることについてはしっかり国際社会に理解をしてもらうべく、外務省と連携をしながら、対外的に、広報活動を通じて、正すべきは正していくというのが基本姿勢であります。
山田(宏)委員 これは正すべき内容なんですよ。
これだけじゃありません。これは国の話ですけれども、さらに、アメリカのいろいろな州においていろいろな決議が上げられておりまして、ニューヨーク州の上院、ニュージャージー州の下院、イリノイ州の下院、こういったところで同じような決議が上げられております。
また、二〇一三年五月三十一日には、国連の拷問禁止委員会では、軍による性的奴隷の被害者と称して最終的な見解が、このいわゆる従軍慰安婦について述べられております。
さらに、昨今では、フランスにおいて、いわゆるカンヌ映画祭の漫画版とも言われるアングレーム国際漫画祭において韓国が出した展示、もう完全に日本のこのいわゆる慰安婦の問題を、日本軍が強制的に韓国の少女たちを強制連行してレイプをし、性奴隷にした、こういった内容の漫画まで提示される始末であります。
私は、先ほどもこの質問の趣旨に申し上げたとおり、これが事実ならば、これは謝罪しなきゃいけませんよ。事実じゃなければ断固として反論しなきゃいけないんですね。これは、私たちの国の名誉の問題です。私たちのお父さんや、祖父や祖母や、そのまたひいおじいさんや、兄や弟、おじさん、おばさん、お母さん、おばあさん、その人たちの名誉の問題なんですよ。
さて、こういったことを、特にアメリカで中心に行われているということに対して、外務省はどういう対応をなさってこられたんでしょうか。
岸田国務大臣 まず、先ほど来御指摘いただいております碑文ですとか決議についてですが、慰安婦問題に関する我が国の立場、考え方、これは累次、さまざまな場で説明してきたとおりであります。
そして、御指摘の碑文等におきましては、我が国の認識と比較して、政府として確認し得ないこと、あるいは異なる内容、これが含まれていると承知をしております。こういった点につきまして、我が国の立場、考え方をしっかり説明していかなければならない、これは当然のことだと認識をしております。
今日まで、こうした動きに対しまして、まずは関係者に対しまして、在外公館、大使等を通じまして、我が国の考え方、立場を説明する。また、現地の有識者、世論に大きな影響力を持つ有識者等に対してこうした問題について説明をしていくなど、この説明努力を続けてまいりました。
ぜひ、こうした努力は引き続き続けていかなければならないと思っていますし、また、何よりも、こうした問題を政治問題化あるいは外交問題化させる、こういったことはあってはならないと考えています。
山田(宏)委員 政治問題化、外交問題化させないというのはわかりますけれども、させているのは相手の国じゃないですか。我々じゃないですよ、これは。
今、説明と言っていましたけれども、一体どういう説明を外務省、また在外公館はしているんですか。説明、説明って、内容を教えてください。
岸田国務大臣 まず、この問題に対する我が国の今日までの経緯ですとか考え方、これは当然説明しなければなりません。
また、御指摘の中に地方議会での動きもありましたが、地方議会においてこうした問題を取り上げるということ、米国におきましても、その地方においてさまざまな民族の方々がともに生きようとしておられる、こうした地方自治体のありようを考えた際に、こうした問題を取り上げることはふさわしくないのではないか、こういった説明等、さまざまな視点から、角度から、この問題について我が国の考え方を説明させていただいている、こうした状況でございます。
山田(宏)委員 だめなんですよ、それでは。こういう内容は事実でないと説明しなければいけないのに、ここで取り上げる問題ではないとか、外交問題化すべきでないとか、そんなことをやっているから、どんどんどんどんこの内容が広がっていくんじゃないですか。
外務省の今までの説明、私もアメリカへ行ったときにこの問題をアメリカの議員に抗議をしたとき、いや、この問題については、日本の大使館や領事館の方からは、この問題はもはや謝罪済みだ、見舞金も出している、だからもう終わっているんだ、日本はやるべきことはやってきたんだ、こういう説明をしたと言っているんじゃないですか。
これは違う事実ですよ、事実とは違いますよという説明じゃなくて、謝った、見舞金を出した、お金も出した、こういう説明だったら、やったということを認めているということじゃないですか。
どういう説明をしているんですか。反論しているんですか。事実ではないと言っているんですか。その辺をちょっとお聞きしておきたい。
岸田国務大臣 この説明に関しましては、この問題に関する我が国の基本的な立場とあわせて、今日までの経緯、これも当然説明しなければなりませんし、そして、それとあわせて、御指摘の内容についても、我が国の認識、これは政府として、さまざまな場でこれまでも累次説明してきたとおりであります。
これが我が国の考え方であり、こういった点につきましてしっかり説明をし、理解を得る、こういった努力も当然行ってきております。
山田(宏)委員 きょうは、テレビを見ている方々がいらっしゃるんですよ。今の答弁では、一体何を説明しているのか、説明したばかり言っているけれども、一体どういう説明をしたのかとお聞きしているんですね、どういう説明をしたのか。
だって、日本軍がかつて二十万人の韓国の方を中心とした少女たちを強制連行して、レイプして、そして性奴隷にしたと言われているんですよ。どういう説明をしているんですか。それは事実じゃないと説明したんですか、一回でも。
岸田国務大臣 当然のことながら、こうしたさまざまな碑文等において、我が国の認識とは異なる点、確認できていない点、これが存在するということ、これは当然のことながら説明をしてきております。
山田(宏)委員 いや、説明できていないから、どんどん広がっているんですよ。
先日、地方議員の方々を中心として、杉並区議会の松浦芳子議員を中心として、何人もの地方議会の方々がカリフォルニア州のグレンデール市に行って、いろいろな方のお話を聞いたと聞きました。その中で、日系の人たちの話を聞くと、自分たちの子供が学校で非常にいじめられているというお話を聞いたというんですね。
例えば、いろいろあるんですけれども、クラスメートの韓国人でいつも日本のことを悪く言う人がいて、事あるごとに議論を吹っかけられる、反論できずに日本の子供はじっと黙っているしかない、日本の大使館や領事館が日本を代表してしっかり反論してくれればいいのにという言葉や、また、日本の子供たちに対して、韓国人の子供が数人やってきて、独島は、竹島ですね、韓国の領土だと叫んで逃げていく、日本人の子供たちはただ茫然と見ているだけ。韓国系の多い学校に子供を通わせていたとき、ランチで日本のおにぎりを持っていったら、汚い、うんこみたいだ等のことを平然と言われた、韓国人の祖父母が常に孫たちにそう言っているようだ、そのようなことを言われ続けた結果、我が子が、僕には汚い日本人の血が流れていると言って、机に頭をたたきつけていたと。
今、こういった碑が建てられている場所で日本人がどんなに肩身の狭い思いをしているか、わかりますか。日本の子供たちがどんなに傷ついているか、わかりますか。子供からは、学校に行って日本名で呼ばないでとお母さんも言われているんですよ、日本名で呼ばれたら日本人だとわかるから。
こんな肩身の狭い思いをさせておいて、きちっと説明しているんですか。外務省は日本人を守るためにあるんでしょう。どこの国を守っているんですか。
さて、このことについては、もともと、ここまで日本軍が強制連行したと言われる原因になったのは、河野談話であります。
河野談話は、一九九三年八月四日に、河野洋平当時の官房長官が出した従軍慰安婦にかかわる談話です。翌日、八月五日に宮沢政権が退陣しまして、細川政権にかわっていきました。ちょうど変わり目、自民党政権の最後です。そのときにこういった河野談話を発表し、それが強制連行を認めたという原因になっています。
河野談話のポイントを掲げます。河野談話はちょっと長いので、強制性の根拠になっているところだけ抜粋をいたしました。
「慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。」「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。」「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。」「当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。」
これが、強制性の根拠となっている河野談話の主要な部分です。
これに対して、安倍総理は、第一次安倍内閣のときに、二〇〇七年、平成十九年に、辻元清美議員の文書質問に対して答弁書を出しています。その答弁によりますと、この河野談話の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった、こうはっきり述べています。
この見解は、今でも変わりませんよね。
菅国務大臣 今の委員の発言は、第一次安倍内閣において閣議決定をされた内容でありますけれども、その中で、今述べられたように、調査結果の発表までに政府が発見をした資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったこと、こうしたことが閣議決定されておりますけれども、その認識は変わっておりません。
山田(宏)委員 そうです。閣議決定をされていますから、これは今の日本国の示している意思であります。そういった事実は発見されなかった、強制連行を示す証拠はなかったということでありました。
そこで、きょうは大変御無理を申し上げまして、与党、また同僚の野党の議員の皆さんにも御了解をいただき、当時の河野談話の作成時に、その作成の責任を負われました石原信雄元官房副長官においでをいただいております。きょうは本当にありがとうございます。
私は、当時の方々を非難するというつもりで今回立っているわけではありません。何としても日本に課せられたいわれのない汚辱を晴らしたい、こういう思いで、きょうは質問に立たせていただいております。なので、この河野談話が一体どういう経緯でどのようにできたのかということについて簡単にお話をいただければありがたいな、こう思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
まず、石原元官房副長官は、この河野談話の策定においてどういう役割を果たされたか、お尋ねをさせていただきます。
石原参考人 河野談話が発出される経緯について申し上げます。
実は、この問題が起こりました発端は、一九九三年、二年でしたか、東京地方裁判所に従軍慰安婦と称する人たちが、自分たちへの侵害に対して日本国政府の謝罪と損害賠償を要求するという訴えを起こされたわけです。
その訴訟に関連いたしまして、当時、宮沢内閣発足直後でしたけれども、日本国政府としては、一九六五年の日韓国交正常化条約によりまして、戦中の、戦前のいろいろな問題は全て最終的かつ完全に決着しているということが明らかでありましたので、加藤官房長官から、日本国政府としてこれに対応する余地はないという趣旨の談話を発表いたしました。
これに対して韓国内ではいろいろな反発があったようでありますが、その翌年、盧泰愚大統領になってからですが、宮沢総理と盧泰愚大統領の首脳会談がソウルで行われまして、これからは過去の問題にこだわらずに未来志向で両国関係を発展させましょうという趣旨でこの会談が持たれたわけですが、実は、その会談の場に従軍慰安婦と称する人たちが押しかけまして、会談が静かな雰囲気でできる状況でなくなってしまったわけです。
それで、そのときに、この従軍慰安婦問題について、実態はどうだったのかということを日本政府として調査してほしいという韓国側からの要請がありまして、政府として検討した結果、では事実関係を調べてみましょうということで、初めは、これは戦中の、戦後処理の問題は主として厚生省の援護局が担当しておったんですが、援護局に話したところ、そのような資料はなかなかないと。もう戦時中の資料でありましたので、非常に散逸しておりまして、なかなか集まらないということであったんです。
しかし、何としても事実関係を明らかにする必要があるというので、当時の厚生省だけでなくて、労働省や、あるいは警察庁や、外務省、防衛省、非常に幅広く関係が広がっておりましたので、最終的に官邸の方で、官邸の外政審議室が中心になりまして、各省に資料の調査の要請を行いました。
その過程で、私は各省に対して、できるだけ努力して、戦時中の資料であるけれども、努力してその種のものを集めるようにという要請を行いました。再三再四、これは協力要請をしたわけですが、その結果を加藤官房長官から発表になりました。
それは確かに、慰安所の設置だとか、あるいはそれに従事する慰安婦と称する人たちの輸送とか、あるいは衛生管理とか、そういう慰安所の存在を前提とするような通達とか連絡とかというのは文書で明らかになりました。しかし、女性たちを強制的に従事させるという種のものは発見できなかったわけであります。
それで、その段階でそういう事実関係を加藤談話として発表いたしましたが、その後、やはり関係者が、自分たちは自分の意に反して強制されたんだということを非常に強く言っておりまして、韓国側が加藤談話ではもうおさまらないということで、引き続き、ではさらに調査しようということで、官房長官が河野さんにかわられたわけですが、河野さんにかわってからも引き続き調査を行いました。
しかし、アメリカの図書館まで行って調べたんですけれども、女性たちを強制的に集めるというふうなことを裏づける客観的なデータは見つからなかったわけです。
それで、当方としてはそういうことだと言ったんですけれども、韓国側が、やはり彼女たちは自分の意に反して強制されたということを強く訴えているので、何としても彼女たちの話を聞いてもらいたいと。
そこで、話を聞くか聞かないかということで政府としても種々協議いたしましたが、最終的に、日韓両国の将来のために、彼女たちの話を聞くことが事態の打開になるのであればということで、最終的には、十六人の慰安婦とされた方々からその当時の状況をいわば客観的に公正に話していただくということで、調査官を派遣してヒアリングを行った。
そして、そのヒアリングの結果、どうも募集業者の中には、かなり強引な手段で募集した、あるいはだまして連れてきた、それから、その募集の過程で当時の官憲がこれにかかわった、かなりおどしのような形で応募させられたということを証言する慰安婦の人がいまして、それらの証言内容を全部とってまいりまして、それを総合的に、我々聞きまして、調査官から話を聞いて、それをもとにして、最終的な河野談話としてまとめたものであります。
したがいまして、当方の資料として直接、日本政府あるいは日本軍が強制的に募集するといったものを裏づける資料はなかったわけですけれども、彼女たちの証言から、どうも募集業者の中にその種のものがあったことは否定できない、そして、その業者に官憲等がかかわったこともまた否定できないということで、河野談話のような表現に落ちついたところでございます。
山田(宏)委員 ありがとうございました。
今のお話をお聞きしますと、いわゆる官憲、または日本軍が強制連行をして性奴隷にしたなんという証拠は、安倍内閣の答弁書のとおり、一切ない。しかし、強制性を認めたような談話になったのは、十六人の元慰安婦の韓国人の方々のお話を聞いて、こういう文章になったんだということであります。
そこで、聞き取り調査が決め手になったと考えていいと思うんですけれども、さて、この聞き取り調査なんですけれども、先月の「正論」という雑誌に、その聞き取り調査報告書の内容、これはまだ政府からはオープンになっていませんが、この雑誌で報道されております。
これを読みますと、かなりその聞き取り調査の内容もずさんである。氏名も生年月日も出身地もまともに記されていないようなもの、または、連れていかれた場所が、軍の慰安所がない熊本とか台湾とか下関とか大阪とか、こういったところには軍の慰安所はありませんから、そういう軍の慰安所でないところで働かされたという証言もあったりして、かなりずさんだったと思うんです。
このずさんというふうに指摘されている調査内容を、証言をそのまま受け取って、そして河野談話に反映させたというふうに考えておりますけれども、やはりこの証言について裏づけをとるべきだったと思うんですね。裁判でもやはり、証人で証言する人はいますよ、しかし、その証言の裏づけを必ずとっていきます。証言だけで有罪にされるということはありません。
この証言の裏づけというものをおとりになったんでしょうか。簡単にお答えいただけたらと思います。
石原参考人 十六人の方の証言を日本側の担当官が聞いて、それを記録して帰ってきたわけでありますが、その後それを、証言の事実関係を確認するための裏づけ調査というものは行われておりません。
山田(宏)委員 ありがとうございます。
つまり、証言の裏づけをとらないで河野談話がつくられたということであります。
では、証言の裏づけをとらないで、なぜ、強制性と言われる、強制連行まで今言われていますが、という内容になったのかというと、私は、ここにいろいろな政治配慮があったのではないか、こう考えているわけです。
それは、ことしの一月一日に、ちょっとコピーで恐縮なんですが、産経新聞の一面に「河野談話 日韓で「合作」」という、こういった報道がされております。
この内容は、河野談話をつくるに当たって、一九九三年の七月二十六日から七月三十日まで、十六人の方々の証言をソウルでおとりになって、そして発表されたのが翌月の八月四日です。その間に、政府は、原案の段階、つまり、河野談話の原案の段階から、韓国側にその内容を提示し、韓国側、特に韓国大使館を通じて、その指摘に沿って修正するなど、事実上、日韓の合作だったのではないか、こう言われています。
これは、当時の政府関係者、私は外電等でも確認しているというふうに聞いておりますけれども、談話自体の作成を、どういう言葉にしたらいいのかと。つまり、最初、日本は、軍の意向を受けた業者がと言っていたのを、韓国側は、いや、意向ではだめだ、もっと強制性が明らかな指示にしろと。いや、指示では、そういう証拠はない、では要望がぎりぎりだと言うと、要望ではだめだ、強く請い求め、必要とすることを意味する要請に変えてくださいというような、具体的なこういうやりとりがあって河野談話がつくられていったという報道になっていますけれども、この内容はおおむね真実なんでしょうか。
石原参考人 私は、この談話の原案を、ヒアリングの結果を踏まえて、外政審議室を中心に文案を作成してまいりまして、その文案を最終的には官房長官のところで推敲して最終談話になったわけでありますけれども、その過程で韓国側とどのようなやりとりがあったのか、私は承知しておりません。
山田(宏)委員 石原元官房副長官は承知をされていない、実際やられたのは、外政審議室というところを中心に行われていたと。
当時の外政審議室長は、私たち日本維新の会が参考人としてこの方もお呼びいただきたいと申し上げている谷野作太郎氏でございます。谷野作太郎氏にお聞きしないと、どういったやりとりがあったかということはわからないだろうというふうに私は受けとめております。
また、今、河野洋平当時の官房長官がいろいろな指示のもとに、こういうものが作成されていたというお話がございました。その河野洋平当時の官房長官のどんな指示が、この作成に当たってあったのでしょうか。
石原参考人 私は、最終に、河野談話を発表する直前の段階ですけれども、それまで各省の協力要請などを私はやっておりましたので、最終調整のところで、その打ち合わせに入りました。したがいまして、字句で、どこの部分を官房長官がどうしたというようなことは、記憶しておりません。
山田(宏)委員 ここはすごく大事なところであります。
つまり、証言だけで、しかも裏づけもとらないで、それをもとに、もっと言えば心証で、この談話がつくられ、そしてその文言についても、韓国側と綿密な調整が行われたのではないか、こういう疑惑を持たれています。
こういうようなやりとりが全くなかったというふうに言い切れますか。それとも、多少そういうようなやりとりがあったのではないかと推測されると。官房副長官のところですから、韓国側がこう言っていますよ、ああ言っていますよということが多分あったのではないか、こういうふうに思うんですけれども、その点、大事なところなので、そういうような事前の打ち合わせがあったかどうか、やりとりがあったかどうか、それをお聞きになったかどうか、明確にお答えください。
石原参考人 もちろん、このヒアリングの結果を踏まえて文章を起草し、それを談話にまとめたわけでありますが、その過程で、どの段階でどの程度韓国側との接触があったのか、私は承知しておりません。
いずれにしても、それを踏まえて原案が上がってまいりました段階で、官房長官の最終的な御決裁をいただく前の段階で私も拝見し、議論に加わりました。したがって、その前の段階で韓国側とどのような接触があったかということは、私は承知しておりません。
ただ、この種のものをまとめる段階で、何らかの連絡というか事務的なすり合わせというのはあったのかもしれませんが、私自身は確認しておりませんので、その点はお答えを控えさせていただきます。
山田(宏)委員 石原元官房副長官は知らないけれども、こういったものをつくるに当たってはあり得る話だというふうに、私は今のお話を受けとめました。
普通、国の考え方を定めるのに、一方的な証言だけでそれを形にしていくということは非常に私は問題だ、こういうふうに思っております。
恐らく、大きな政治的な判断があって、多分、韓国側から当時、こういった強制性というものを認めれば、韓国側は納得して、日韓関係もこれから未来志向でよくなるんじゃないか、そういったような話が相手からもあって、また何らかの示唆があって、こういった文章がまとめられたんじゃないかというふうに考えておりますけれども、そういったようなお話は、当時これを策定するに当たって、内閣官房の中であったんでしょうか。
石原参考人 韓国側が終始、彼女たちの中にはその意に反して慰安婦とされた者がいるんだ、そのことをぜひ認めてもらいたいということは再三言っておりました。それを、証言の結果として、その心証をもとに河野談話は作成されたわけでありますが、御案内のように、あの談話が出された後、韓国側は、これで過去の問題は一応決着したという姿勢でありまして、韓国政府がこの問題を再び提起することは、しばらくありませんでした。私が在職中は全くありませんでした。
したがって、そういうような効果は持ったと思うんですけれども、作成過程で意見のすり合わせというものは、当然、行われたということは推定されますけれども、私自身はそのことにタッチしておりませんので、確認できません。
山田(宏)委員 いろいろな配慮が、当時、私は善意だったと思いますよ、善意の部分が多かったと思う。これをある程度妥協すれば日韓関係はよくなってくれるんじゃないかと。
ところが、これだけの、先ほど皆さんに御紹介しました、さまざまな、強制連行または性奴隷、こういった言葉が世界じゅうに輸出され、それが碑文となって永遠に残る結果になりました。これだけ韓国側に配慮した結果、この河野談話は結果的に韓国側に利用されまして、こんな事態に現在なっていると私は言えると思います。
先ほどのこういった事態を、今、石原元官房副長官としてはどのように、当事者として受けとめておられるでしょうか。
石原参考人 私は、当時、政府としては、この河野談話の発出に当たりましては、いわば苦渋の選択として、慰安婦とされた人たちのヒアリングを行ったわけであります。
その際に、我々は韓国側に対して、客観的に過去の事実を話せる人を選んでくださいということで、責任を持ってそういう人を選びますというので、十六人の方が選ばれて、そのヒアリングを行い、その結果を踏まえてあの談話になったわけでありますから、その十六人の方々にどういう問題があったかというのは、我々は韓国側の善意を信頼してこの全体の作業が行われたわけでありまして、その前提にいろいろ問題があるというような報道もなされておりますが、私どもはその点は全くそういう想定はしておりませんだったことを申し上げたいと思います。
それから、河野談話によって過去の問題は一応決着して、これから日韓関係は未来志向でいきましょうという話でこれは取りまとめが行われたわけですから、そしてまた、当時は、それによって、一応、少なくとも韓国政府側はこの問題を再び提起することはなかったわけであります。しかし、最近に至って、韓国政府自身がこれを再び提起する、そういう状況を見ておりまして、私は、当時の日本政府の善意というものが生かされていないということで、非常に残念に思っております。
山田(宏)委員 相手の善意を信じてここまで妥協し、苦労したのに、苦渋の選択をしたのに、結果としてそれが裏切られてしまったというお話でございました。
私は、もう一度、石原元官房副長官に確認をしておきたいと思うんですが、この河野談話は、いわゆる民間業者がだましたり、強圧的に少女たちにいろいろな行為をしたり、言動をして連れてきたということは証言として言われたかもしれないけれども、しかし、軍、日本の軍隊や、または日本の官憲、政府が、今言われているように、少女たちを強制連行して性奴隷にしたということを認めたものではないですよね、河野談話は。
石原参考人 談話の文言にもありますように、主として募集は業者が行っておって、その業者の募集の過程で官憲とか軍がかかわった可能性があるという表現になっておりまして、日本政府あるいは日本軍の直接的な指示で募集したということを認めたわけではありません。
山田(宏)委員 明確にお話をいただきました。
日本軍や官憲が直接強制連行に加わって少女たちを性奴隷にしたなどというものを、この河野談話は認めたものではなかった。しかし、現在、それを一方的に曲解し、そして自分たちの主張に合わせて、この河野談話が使われることになりました。
私はやはり、その全ての原因は、この河野談話の曖昧さにあったと思うんです。何を強制したのか、誰が強制したのかはっきりしない。韓国側はこう受け取る、日本側はこう受け取る、そういった玉虫色的な妥協の産物であった。まさに事実を確認したものではなくて、政治文書であった、こういうふうに思っております。特に、この談話自体は、確たる証拠もなく、一方的な証言で、しかもその証言内容も、昨今の調査の明らかになったものによると、かなりいいかげんなものだということがわかってまいりました。
私は、こういった事態に今陥っている中で、この質問の趣旨で申し上げましたとおり、日本国の名誉を守り、そして日本国の我々の先人、祖父母またはおじさん、おばさん、こういった方々の名誉、尊厳を守り、そして未来永劫にわたって日本の子供たちが、こういった世界じゅうにつくられる、いわれもなき、こういう言い方によって、そこに行って頭を下げなきゃいけない、丸くならなきゃいけない、日本人であることが胸を張れない、こういった状況を何としてもやはり改善をしてもらわなきゃいけない。これは政治家の役割なんですよ。
どうですか、石原元官房副長官、最後に、私は、もう一度、この聞き取り調査が全てこの河野談話の強制性の原点になっているわけですけれども、この聞き取り調査の再検証というか、裏づけ調査というか、こういったものは行われていなかったというお話でございますが、やはりこれはきちっと行っておくべきだった、または、これからでもやはりきちっと行う必要があるのではないかというお考えをお持ちかどうか、最後にお聞きをしておきたいと思います。
石原参考人 当時は、慰安婦とされた人たちの中で客観的な状況を話せる人を選んでいただきたい、その要請に応えて、そういう人を選びますということで韓国側が十六人の候補者を出したわけですから、当時の状況としては、それの裏づけをとるというか、そういうことができるような雰囲気ではなかったと思っております。
一般論としては、この種のものについては裏づけをとるということはあるんでしょうけれども、あの当時の状況としては、そういうことをこちらが要求するような雰囲気ではなかったと思っております。
山田(宏)委員 ありがとうございます。
本当は裏づけ調査をとるべきような話だけれども、当時はそんな雰囲気になかった、それができなかったというお話でございました。
本来これで全部収束するはずだったこの問題が、今やモンスターのように世界じゅうを駆けめぐっています。そして、今や子供たちが、自分が日本人であるということをこういった場所で胸を張れないという状況に置かれています。
私は、現内閣においても、少なくともこの聞き取り調査、報告の内容について、これからでも構わないので、ぜひできる限りこの裏づけ調査をして再検証していくべきだ、とりあえず、この十六人の慰安婦の方々の発言内容について、当時とるべき裏づけ調査がなされていなかったのだから、やはりこれからきちっと資料を確認し、そしてまた、これは日本政府だけでやれば、日本の自分たちの思いだけだろう、こういうふうに言われますから、第三国の研究者、中立的な研究者も入っていただいて、この河野談話の再検証をお願いしておきたい、こう思いますけれども、官房長官、これは官房長官談話でしたから、官房長官にお尋ねいたします。
菅国務大臣 まず、安倍内閣の基本的な考え方でありますけれども、これまでの歴史の中で多くの戦争があって、その中で女性の人権が侵害されてきた、二十一世紀こそ人権侵害のない平和な国にしたい、さらに、慰安婦問題についても、総理が国会でたびたび答弁しておりますように、筆舌に尽くしがたい、つらい思いをされた方のことを思い、非常に心が痛む思いであるということを総理は答弁をさせていただいています。この点については、歴代内閣においても同様の思いを持ってきているというふうに理解をしています。
そして、内閣としては、この問題を政治問題、外交問題にはさせるべきでないという考え方を持っています。ただ、その中で、先ほども申し上げましたけれども、前回の第一次安倍政権のときに、強制性について閣議決定をされたということを私、申し上げました。
こうした経緯も踏まえまして、内外の歴史学者だとか有識者、そうした皆さんの手によって、今、さまざまな研究も実は行われているということも事実であります。この問題についても、学術的観点からさらなる検討が重ねられていくことが望ましいというふうに思います。
山田(宏)委員 この問題についても、さらなる学術的な研究がなされるべきだというお話でございました。
そのためには、この調査報告書がオープンにならないと研究できないんですよ。これはオープンにしていただけないですかね。
菅国務大臣 当時、聞き取りについては非公開というものを条件に行ったということもありますので、そうした相手との問題、そういう前提のもとにこの調査が行われたということがありますので、そこはもう一度、当時のことを検証してみたいと思います。
山田(宏)委員 オープンにしない約束で聞いたんだからオープンにできないということを聞いておりますが、それだったらどうやって検証するんですかね。
歴史的な検証をしていかなきゃいけないということであれば、オープンにして、いろいろな人たちからきちっと客観的な、いろいろな立場の人たちから研究対象にするか、それとも政府がやはりきちっとチームをつくって、しかし、自分たちの都合のいい学者だけじゃない第三国の学者、研究者も入れて、この調査報告書とそれに伴う河野談話について、やはり検証するしかないじゃないですか。どうやって歴史家が検証するんですか、オープンになっていないものを。
菅国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、当時は非公開を前提として行ったということでありますし、名前も伏せて行っているということも事実であります。
そういう中で、私、先ほど申し上げましたけれども、この問題については、歴史学者や有識者の手によってさまざまな問題が今行われておるわけでありますので、学術的観点からさらなる検討というものを重ねていく必要があるというふうに政府も認識をしております。
山田(宏)委員 何度も申し上げるようですけれども、これは、確かにその方々が、大変、尊厳や、また非常につらい思いをされたということは私も同情いたします。しかし、今や、この河野談話がもとで、日本人の海外にいる子供たちがまた恥ずかしい思いをしているんです。
ですから、そういった意味で、先ほどの石原元官房副長官のお話にもありましたように、やはり、この証言がもとでこの河野談話がつくられて、強制性を認めたというふうに言われているわけですから、この証言内容をオープンにできないのであれば、オープンにすべきだと思いますよ、であれば、チームをつくって、きちっとその内容、裏づけ調査も含めて、検証しなきゃおかしいですよ、これは。やってください、お願いします。
菅国務大臣 今の委員の発言につきましては、今まで石原前官房副長官がいろいろ申し上げていました。そうしたものについて、秘密扱いということであれば、そこも含めて、これは検討させていただきたいと思います。
山田(宏)委員 やられますか、調査をちゃんと。ちょっとわからなかったんですが。
菅国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、やはり当時、非公開を前提にこれはやっているわけですから、そういうことというのはやはり政府としても配慮すべきだというふうに、そこは私は思います。
ただ、この問題について、今、石原官房副長官の話にもありました。その提出方法については、全くこの機密の扱いの中でどうできるかということは検討したいと思います。
山田(宏)委員 秘密であるということを前提に検証するということですね。(発言する者あり)提出ですか。
いや、提出も大事だけれども、政府の中のチームをつくって、そして専門家による検証というものを行うということも含めて、御答弁ください。
菅国務大臣 先ほど来、私、申し上げていますけれども、歴史学者や有識者の人たちが研究をしているということも、これは今、現実的にあるわけですよね。そうした中で、今、官房副長官からの発言もありました。そういう中で、今委員から要請もありましたけれども、機密ということを保持する中で、そこは検討もしてまいりたいと思います。
山田(宏)委員 よろしくお願いします。また、報告をお願いします。そして、その内容によっては、新たな官房長官談話も考えていくべきだということは申し添えておきます。
さて、先日、アメリカの下院外交委員長のロイス議員が総理をお訪ねになられました。総理も会談をされました。この方は、実はこのグレンデールの慰安婦の像の前でひざまずいて線香を上げた人ですよ。こんな事実がないのにそういったことをやった方にお会いになった。
いろいろな外交上の配慮でお会いになることはもちろんあり得るだろうと思いますが、私は、まず、総理が、こういうことをこの方がやられた人だということは御存じだったのか、そしてまた、御存じであるならば、本来は、いや、このことについてはということで、この慰安婦像の問題について、また、ここで述べられていることについて、きちっと日本国を代表してその方にお話をすべきだったというふうに思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
安倍内閣総理大臣 私は先般、ロイス米下院外交委員長を初め七名の超党派、委員長を入れると八名なんですが、下院議員一行の皆様とお目にかかったところでございます。
ロイス委員長自体が、いわゆる慰安婦の碑に行かれたという事実は承知をしておりましたが、いわば、外交委員長を初め、アジア太平洋地域の安全保障状況あるいは日米同盟の重要性について理解をしている方々、議会の方々とお目にかかって、意見交換を進めていくことは、日米同盟を強化していく上において、相互理解を進めていく上で重要である、こう判断をしてお目にかかったところでございます。
また、ロイス委員長は、今回の訪問中に拉致被害者家族とも懇談を行っていたわけでございますが、私も面会をする際に、古屋拉致問題担当大臣にも同席をしてもらったわけでございます。
その会談の中においては、先方から慰安婦問題についての議論はなかったわけでございますが、これは、ロイス委員長だけではなくて、極めて日本のことをよく知っているシャーボット下院外交委員会のアジア太平洋小委員長もおられて、さまざまな議員の方がおられますので、必ずしもそのことについて、こちら側からあえてお話はいたしませんでしたけれども、日本の基本的な外交方針、積極的平和主義等々についてはお話をさせていただいたところでございます。
山田(宏)委員 お話の仕方はいろいろあるかもしれませんが、やはり私は、我々はそういったことについて強い関心を持っているということぐらいは言っていただきたかったなというふうに思います。
そういった中で、この後、石関議員が質問なんですけれども、ちょっと五分だけ、済みません。同じ党なので、また今度返しますので、いただいて、あと五分、お話を。
石原元官房副長官、きょうは本当にありがとうございました。大変貴重な御証言をいただきました。
委員長、いいでしょうか。私の方は、もう質問はございません。
二階委員長 結構です。
石原副長官、御苦労さまでございました。ありがとうございました。
山田(宏)委員 先ほど、籾井会長に対していろいろな質疑がありました。この放送法第四条というのは、番組の編成内容について介入した場合のことを言っているんですね。ですから、介入はされていないわけですから、放送法なんか違反していませんよ。しかし、やはり御発言はこれからよくお気をつけになられないといけない、こう思っております。
それよりも、この慰安婦の問題で問題なのは、NHKワールドという国際放送が二月の十二日に英語で放送しているんですよ、世界に対して。サウス コリア ウオンツ ユネスコ ツー レジスター コンフォート ウイメンと書いてあるわけです。これを放送していました。つまり、韓国は、ユネスコに対して、慰安婦のいろいろな資料を、無形資料というのか世界遺産というのか、そういったものに登録するようにやっていこうという、こういう報道です。(発言する者あり)記憶遺産か。
この放映の内容で、こういう文言があるんですね。メニー オブ ジ ウイメン ワー フォースト インツー プロスティテューション ツー サーブ ジャパニーズ ソルジャーズ デュアリング ワールド ウオー ツーとある。つまり、第二次世界大戦中に、多くの女性たちは、日本兵に対して売春婦として奉仕するために強制されたと。フォーストですから、強制されたんですよ。
これは事実じゃないんじゃないですか、今の発言でも。だめですよ、これこそ放送法違反じゃないですか。こういうことをちゃんと見るのがNHK会長ですよ。
これまで、女性何とか国際法廷とかいって、これは安倍総理も一時いろいろなことでありましたけれどもね。ここで、日本の天皇陛下が、この日本軍のやったことに対して、レイプだとか何とかということで、有罪だなんということを放映した、一方的な、本当に反日きわまりない、そういった報道をNHK自身が番組でやりました。こういうのが問題なんですよ。これはいろいろな意見があるじゃないですか。一方的な報道はだめですよ。
それから、今回の二月十二日の国際放送、これは許しがたいと思っていまして、もう決めつけているじゃないですか、NHKが。多くの女性たちが強制されて、売春婦にさせられて、日本軍に、兵隊に奉仕させたという。
これはどうお考えですか、こういう報道は。こういう報道こそ、NHK会長として、きちっと現場へただすべきじゃないですか。放送法違反ですよ、これは。どうですか。
籾井参考人 NHKは、放送内容が国内番組基準や国際番組基準に沿っているかどうかのチェックを、企画段階から取材、制作、放送に至るまで、さまざまな過程で、複数の者より多角的に行っております。また、放送現場とは異なる立場から、放送が番組基準に従っているかについて評価、検討を行うため、独立した考査部門を設けております。
こうした仕組みを機能させることで、公共放送にふさわしい、質の高い番組を放送する体制を整えております。
山田(宏)委員 そういう答弁をしていい相手と答弁していけない相手があるんですよ。これは具体的な話をしているんですからね。だめですよ、それは。(発言する者あり)そういうことを言っているんじゃないんですけれども。
私の時間がもう切れました。本当は、谷垣法務大臣にもおいでいただいたし、太田国土交通大臣にもおいでいただいたり、そして小野寺防衛大臣にもおいでいただいたり、本当は集団的自衛権の問題もやりたかったです。しかし、きょうは本当に、石原元官房副長官も御高齢で、しかし、この問題について、委員会の要請に基づいて来ていただいたということもあり、せっかくお忙しいお時間をいただいて、ここで答弁いただこうと思ったんですが、そういう機会がなくて申しわけございませんでした。
次の石関委員にバトンタッチをして、私からのきょうの質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。