石原慎太郎先生衆議院予算委員会質問(平成26年2月12日)


石原(慎)委員 おはようございます。維新の会の代表の石原です。

 昨年末、被害妄想といいましょうか、その幻想に駆られたような大騒ぎの中で、事なく特定秘密保護法が通りましたが、一部の白痴的というか売国的というか、大新聞やテレビが、ある新聞に至っては、どこかの俳優さんが、このままでいくと、やがて憲兵がそこらじゅうを徘回して我々の、国民の言動を取り締まる時代が来るという、まさに妄想に似たコメントを一面にまで出して反対していましたけれども、この案が確立されたこと、世界が非常に緊迫した状況になった今日、必要だと思いますけれども、この法案が成立したことを踏まえて、一つお聞きしたいんです。

 青森県の三沢という、日本にとってもアメリカにとっても非常に戦略的に意味のある大事な航空基地がありますね。あそこに昔から、ECHELONという非常に大きな諜報装置が設置されております。同じものがミュンヘンにもありますけれども、これは冷戦時代に、主にソビエトあるいは北朝鮮の動向を調査するための諜報装置だと聞いておりますが、専門家に言わせると、それはそのまま機能を失っていなくて、方向を北から南に振ると、友好国であるこの日本の政府の、特に官庁間の電話というのはほとんど盗聴されている可能性がある、それだけの機能を持っているということを専門家は指摘しております。

 これについて、政府はいかがお考えですか。特に官房長官、これをこれからどうしたらいいと思いますか。


小野寺国務大臣 米軍の三沢基地の中に、今委員が御指摘のような形状をしたものがあるということは私も確認をしておりますが、実際それがどのような役割を行っているかということについては、私どもとして承知をしておりません。


石原(慎)委員 承知をしていないでは済まないので、多くの専門家が指摘しているように、あの装置をもってすると、かつてアメリカがドイツの首相のメルケルさんの携帯電話まで聴取したという事例が判明しました。

 わからないでは済まないので、一体どれほどの機能を持ってどういう調査をしているかということを、せっかくの法律が成立した今日でありますから、政府の責任として、国民に対しても説明できるように、これをはっきり明確に把握する必要があるんじゃないんでしょうか。総理大臣、いかがですか。


小野寺国務大臣 繰り返しになりますが、私どもとしては、米側からそのような用に使われているということは報告も受けておりませんし、また、日米間で日ごろ、同盟国でありますので、さまざまな情報の交流はしております。

 いずれにしても、同盟国としての米側の対応については、私どもは信頼をしているということであります。


石原(慎)委員 それならば、ドイツとも協力して、現にミュンヘンにある同じ装置というものが今どういう形で作動しているかということを日本の政府の責任でも調べた上で、アメリカに対する信頼といいましょうか、疑念といいましょうか、そういったものをはっきり確かめる必要があるんじゃないんでしょうか。

 これはやはり政府の責任だと思いますよ。ECHELONという世界的に有名な、専門家があれは強力な諜報装置だということを言っている中で、日本の政府が、現にそういう装置を目と鼻の先に置かれながら、多くの専門家が、政府のやっている電話、要するに会話というのは筒抜けだと言っているこの状況の中で、あれがどういうふうに機能してどういう効果を上げているかということを、政府の責任で確認し、把握する必要があるんじゃないんでしょうか。

 これは多くの国民がひとしく望む、野党の諸君も、それは心配だと思いますよ。


小野寺国務大臣 いずれにしても、同盟国であります日米の中で、常日ごろからさまざまなことについて緊密に連携をとっておりますし、私どもとして、同盟国である米国を、これは信頼できる相手だと認識をしております。


石原(慎)委員 信頼するのは結構ですけれども、信頼するがゆえに、こういった機能が実際にどういうふうに作動しているかということを専門的に政府がきちっと把握することは、せっかく立派な法律ができて、それによって国家の安全が保障されようとしているときに、私は絶対に必要な政府の努力だと思います。

 それ以上の答弁は返ってこないんでしょうが、そういう努力をぜひしていただきたい。国民が安心し、役人も安心して省庁同士の大事な連絡を電話でとり合うことができるような状況というものをつくっていただきたい、同じ日本の国の中のことですから。政府の高官が大事な話をしていることが外国人によって筒抜けになっている、こんなばかな話はありませんよ。


小野寺国務大臣 防衛当局もそうでありますが、政府全体として、このような情報の保全については万全を期す努力を、今後とも続けていきたいと思っております。


石原(慎)委員 先般、総理が靖国に参拝された。これは非常に結構な、大事なことだと思います。一部の白痴的な、売国的なメディアが、どこかの国の威光をかりてキャンキャン言っておりますけれども、こんなことは全く気にする必要がない。

 ただ、総理、日本の一部のメディアも含めて、外国が靖国の存在というものを忌避する一番の理由は何だと思われますか。


安倍内閣総理大臣 靖国参拝については、今まで六十回を超える回数で総理が参拝をしているわけでございます。基本的には、田中内閣までは全く議論になっていなかったわけでございますが、その後、三木内閣のときに、私的参拝か公的参拝かという議論がございまして、その際、あくまでも国内的な議論であったわけでございます。

 そして、御承知のように、その後、いわゆるA級戦犯が合祀をされる、これはA級、B級、C級、全てでありますが、合祀されていった中において、特にA級戦犯が合祀をされたという中において、このA級戦犯が合祀された後も、大平総理、そして鈴木善幸総理も参拝をされましたし、その後、中曽根総理も参拝をしておられます。そして、突如、中国がこれに対して抗議をしてきたという経緯があります。

 この日本のリーダーが靖国に参拝をするという行為について、私は従来から申し上げてきているように、国のために戦った兵士のために手を合わせ、そして尊崇の念を表し、御冥福をお祈りする、この行為自体は世界のリーダーに共通する姿勢なんだろう、こう思うわけでございまして、これからも日本の姿勢そのものについて誤解を解く努力をしていきたい、このように思っております。


石原(慎)委員 大変結構な御答弁で、そのとおりだと私は思いますけれども、ただ、このA級戦犯というクラシファイに、私は、非常に歴史的な、時間的な虚構があるということを、もう一回皆さんに思い出していただきたいと思うんですね。これは東京裁判というものの性格を非常に象徴する案件だと思います。

 私は、この年ですから、恐らく国会議員の中で珍しいことに、私が中学生のときでしたけれども、二回、東京裁判というのを傍聴しに行ったことがあります。これは、父が、どういうつもりか知りませんけれども、チケットをとってくれまして、隣のお兄さん、大学のお兄さんに連れられて、傍聴に行きました。

 一度目のときは、覚えていますが、雨が降っている日で、私がげたを履いてカタカタ階段を上っていきましたら、踊り場にいた憲兵が、MPが、私をつかまえて、おい小僧、きさまの履いているその靴はうるさい、やかましいから脱げと言って、その場で私はげたを脱がされまして、大事なげたですから、とられたら困ると思って、げたをしっかり胸に抱いて、ぬれた階段を上がっていって、指定された席に座って、裁判なるものを傍聴しました。

 そのときの印象を今でも覚えていますが、とにかく、今はやりの同時通訳などは全くありませんで、裁かれている方も裁いている方も英語でしゃべっているわけですけれども、一向に、つまり、特に戦犯として並んでおられる方々は、恐らく自分がどういう論告を受けているかということを聞き取れなかったんじゃないかと思いますし、まして傍聴者は、全くそれはわかりませんでした。そうして裁判が遂行されていったわけですけれども、大事なことは、この裁判の冒頭に、東条英機の弁護人であった清瀬一郎さんが非常に大事な指摘をしているんですね。

 裁判の冒頭に、原告側を代表して次のようなことを言っています。当裁判所の管轄に関する動議というものを陳述していまして、世界の文明国が理解している戦争犯罪人の定義というのは、具体的に挙げてありますけれども、その中にA級という言葉はない、これはあり得ない言葉だ、そういうものにのっとってA級なる戦争犯罪人を十何人か並べて行っている裁判というものに、合法性がないと。

 詳しく言えば、ポツダム宣言受諾当時、戦争犯罪という概念の中に、平和に対する罪、戦争を計画し、準備、履行した罪といった類の罪の概念は、国際法にも先進国の法律にもなかったということを訴えているわけです。それゆえに、この裁判には、管轄権、つまり合法性がないということを問うていますね。

 これに対して、ウェッブという裁判長は、口をもごもごして回答せずに、後のことにしていくと、後回しにして、結局、答えのないままに、この裁判が遂行されたわけです。そして、これについて、スミスという弁護人が、この裁判の管轄について速やかにこの場で明らかにしなくてはならない、それができないならば、直ちに公訴というものを破棄すべきだということを言って、A級戦犯というものの法的な具体性というものが実に根拠がないということで、そういうものを指摘された人たちを裁く権利はこの法廷にないということを言っているわけですけれども、結局、これがうやむやになって、そのままに最後の判決が出ましたな。

 私たちは非常に緊張して、中学の何年生かになっておりましたか、私も二度傍聴した経験もあったものですから、判決の当日、頼りないラジオの声をみんな、耳を寄せて、聞き耳を立てて判決を聞いたのを覚えております。

 今でも覚えています、鮮明に。何か、なよなよした声の裁判官が、アワー インターナショナル コート、その前に名前を言いますね、ヒデキ トウジョウ、アワー インターナショナル コート プット ユー デス バイ ハンギング。東条英機、おまえを我々国際裁判所は首をつることで殺す、死刑に処すということを言って、延々それから十数人の方々の名前が挙げられて、刑が執行されたわけです。そして、その後、遺体も遺族に戻されずに、焼却された灰は東京湾に捨てられたということでありますけれども、それは余りにも忍びないので、花山さんといいましたか、その最期に立ち会った教誨師が一部の骨を盗み取って遺族に渡したという逸話もあります。

 いずれにしろ、この裁判というものが、A級戦犯、そういった法的根拠のない罪状を科せられた方たちを裁き、死刑に処し、しかも、その方たちが合祀されているということでいろいろな立場の方々から忌避されているということは、私は、これはやはり、この際、国家としてこの問題をはっきりして、それを建前に、総理なら総理の参拝というものを批判する人たちにはっきり物を言ったらよろしいんじゃないかと思う。これはやはり、国民のために、ぜひその努力を内閣全体でしていただきたい。

 これは決して議論の蒸し返しではありません。現に、現職の総理が国民を代表して靖国神社に参拝されることで、いろいろなごたごた、つまらぬ問題が起こっていて、そして国民が緊張を強いられて、非常に不愉快な思いをさせられている。

 もともと、その原点というものが、A級戦犯が合祀されている、そのA級というものの指定、クオリフィケーションというものが全く国際法の上で存在しない。それを無視してこの裁判が始まって、遂行され、かつ、A級戦犯の方々は無残にもまさに首をつることで死刑にされたということを私たちはもう一回思い直して、この裁判の性格というものを認識することで、あの裁判が私たちに強いた、要するに、A級戦犯を絞首刑によって葬ることで彼らが示した、あの戦争に対する価値観というものを、私たちはその呪縛の中からいまだに逃れ切れずにいて、非常にわけのわからぬ負い目というものを周りに感じろと言う人もいるし、感じろと言うばかな新聞もありますが、全く根拠のない不安といいましょうか、いら立ちの中にあるわけです。

 どうか総理、あなたがせっかく、あえて靖国に堂々と参拝された。これは、日本を牛耳っているのは、名前は言いませんけれども、売国的、売名的なばか新聞が多くて、しかもそれに便乗するテレビがほとんどですけれども、国民は余りこの大メディアの言うことを信用していないんです、全然。

 例えば、インターネットなどで新しい情報の流通というものをハンドルしている人たちが、既存のメディアというものにどういう評価をしているかというと、この人たちの意見というのは全く違うんですね。あなたの靖国参拝に関しても、インターネットで調べてみますと、何と八五%以上の人が、いいじゃないか、結構だ、ありがたいという表示をしているということを念頭に置いて、私たちはやはり事の判断というのをこれからしていく必要がある。

 つまり、草の根の声というものが歴然としてあるわけで、それを代表しているのは何とか新聞でもかんとか新聞でもない。あなたに盾突いて快哉を叫んでいるばかな新聞がたくさんいますけれども、その新聞が決して草の根の声を代表していないということをしっかり踏まえられて、総理、特に、えたいの知れない東京裁判というものは、A級戦犯というクオリフィケーションというものを踏まえて行ったあの裁判の結果、それによって日本に押しつけられたあの戦争に対する価値判断、戦争史観というものを、私たちはやはりそのトラウマからそろそろ脱出するべき時期に来ているんじゃないかと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。


安倍内閣総理大臣 政府の立場としては、極東国際軍事裁判所において被告人が極東国際軍事裁判所条例第五条二項に規定する平和に対する罪等を犯したとして有罪判決を受けたことは事実である、そして、我が国としては、平和条約第十一条により、極東国際軍事裁判所のジャッジメンツを受諾している、なお、極東国際軍事裁判所が科した刑は、我が国の国内法に基づいて言い渡された刑ではない、これが政府の基本的な立場であります。

 基本的な私の姿勢といたしましては、靖国参拝については、先ほども申し上げましたように、国のためにとうとい命を犠牲にされた方々に対して、尊崇の念を持って、そしてこうべを垂れ、手を合わせ、みたま安かれなれとお祈りをし、御冥福をお祈りするという意義でございまして、そして同時に、二度と戦争の惨禍で人々が苦しむことのない時代をつくっていかなければならないという意味において、不戦の誓いをしたところでございます。

 これは、先ほども申し上げましたように、世界のリーダーの共通する姿勢であるわけでございますし、その中において、繰り返しになりますが、我々としては、この行為において人々を傷つけようというつもりは全くないわけでございます。

 また、私は、参拝の際に談話を発表させていただいておりますが、これを各国語に訳しまして世界に発信しているところでございますが、今後、誤解を解く努力をしていきたい、こう思っているところでございます。


石原(慎)委員 注目すべきは、この裁判を設定して行わしめた当時の占領軍の最高司令官でしたマッカーサー元帥は、当然、A級戦犯というカテゴリーというのを承知の上でこの裁判を遂行させたんでしょうけれども、この男は、日本を離れた後しばらくして、アメリカの上院で宣誓し、所見を述べていますね。

 日本軍が行った、マッカーサーが日本を相手に戦ったこの戦争なるものの性格について彼は問われて、これは今になってみるとはっきり自衛の戦争だったということを私は確認していると言っているわけです。

 要するに、こういった大きな事実があるわけでして、私は、やはりこれをいろいろな形で周知徹底させる必要があると思いますね。そうすることで、この東京裁判というものが象徴的に戦後の日本を規定する事実として存在した、そして、それが醸し出したさまざまなトラウマから日本人が解放されて、もうちょっと胸を張って、はっきり世界に向かって物を言う。

 私は同僚だと言いたくありませんけれども、河野洋平君なる非常に好ましくない政治家が官房長官のときに、ああいうばかな発言をして、従軍慰安婦の問題を、つまり、結局強引に捏造させたということのそういった連脈の中で、私たちがもうちょっとはっきり、隣国に向かっても姿勢を正して物を言い、反駁すべきものはすべきです。そういった大きな一つの引き金になると思いますので、ぜひその努力をしていただきたいと思います。答弁は結構です。

 続いては、私、これから恐らくこの国会で大きな問題となるでしょう集団的自衛権のために必要な、その大前提となるべき日本独自の個別的自衛権について、少しお話をお聞きしたいと思っています。

 今、聞きますところ、あの非常に紛争、ごたごたの絶えない尖閣諸島の水域に自衛艦が一隻出動しておるというんですね。いかがですか。


小野寺国務大臣 さまざまな事態に対応できるように、私どもとしては、しっかりとした態勢をとらせていただいております。


石原(慎)委員 そのしっかりした態勢というのは、よくわかるようでわからないんですけれども、これは、どこまでの権限、どこまでの使命というものを帯びて出動しているんでしょうか。

 この自衛艦があの水域に出動するのに対して、防衛省は出動命令というのを出しているんですか、出していないんですか。


小野寺国務大臣 自衛艦船のみならず、自衛隊がさまざまな活動をする場合に、当然、これはシビリアンコントロールの点から、私ども、政治レベル、大臣がそれぞれ指示をして行わせているということであります。


石原(慎)委員 そのシビリアンコントロールという言葉がよくわかるようでわからないんですよね。過去に、その美名ですか、この名目にかまけて、非常に大事な問題がネグレクトされてきた。

 私、前も予算委員会で申し上げましたが、かつて、ベレンコというロシアの中尉が、最新鋭のミグ25に乗って、亡命を求めて函館に強引に着陸した。それから、それについて大きな問題が起こりましたね。あのときも、結局、政府は出動命令を出さないままに、現地の司令官たちに適当に判断しろという形で、その裁量に任せる。そして、いろいろ、そのときは情報もありまして、繰り返して申しますけれども、アメリカ側から、最新鋭の戦闘機ですから、これを奪取するためにコマンドがやってくるかもしらぬということで、これは当然、日本の自衛隊が、陸海空協力して防衛態勢をしいたわけです。

 そして、その当時は、三木武夫という、私、全く評価しません総理大臣がいまして、自民党に、残念ながら。これを何とかおろそうということで、三木おろしという、政局が混乱していたということで、自民党なんかにも、政府なんかにも混乱がありまして、結局、出動命令が何も出なかったということで、ないままに、当時の陸上自衛隊の最高司令官が北海道の方面の総司令官にはかって、そして、函館に陸上自衛隊が布陣して、高射砲を備え、それから、海自の軍艦も日本海側、太平洋側に配備して、遊よく行動をした。

 結局、当時の官房長官は、それに関する資料を全て隠蔽しろと消却を命じたことで、非常に大きなフラストレーションが自衛隊に起こったということで、当時、それを受けて陸幕の幕僚長は辞任しましたな、責任をとった形で。

 その後、代がかわって、何内閣でしたか、金丸信さんが防衛庁の長官をしているときに、栗栖という統幕の議長が、その事態を振り返ってみて、とにかくこの国に欠けているものがある、出動命令も出ないのに兵隊を出して、その後の行動に一体誰がどう責任をとるのかという批判をした。とにかく、それをもって、その栗栖さんは、シビリアンコントロールに反する言動だということで罷免されましたね。その事態がいまだずっと続いているわけですよ。

 その後、繰り返して申しますけれども、能登沖でも北朝鮮の不審船が見つかって、状況からいって、当時いなくなった数人の日本人の拉致被害者がその船に収容されていることはほとんど状況的に自明だったのに、出動した海上自衛隊あるいは海上保安庁が、艦船の能力からいってその快速船に追いつくことができずに、それを強引に拿捕することも撃沈することもできずに、結果としては、邦人というのは救出することができなかった。これに対しても、やはり自衛隊の中からいろいろな批判がありました。

 いずれにしろ、そういう事例を重ねながら、自衛隊が緊急の形で出動のときも、政府はきちっとした出動命令を出すことをなさずに来た。

 もっと滑稽な事例がありましてね。今はもうなくなっちゃった、社会党は今何と言うんですか。名前が変わっちゃったし、なくなったかわからないけれども、これが言い出して、その中の女の議員が騒ぎ出して、ソマリアの、非常に狭小な、紅海という非常に細長い海から出てきてインド洋に出るあの入り口で、海賊がばっこして、大きな船舶の航行が非常に不安なので、何とかパトロールしてほしいということで、海上自衛隊の船が出向きましたな。

 そのときに、ばかな国会議員たちが反対して、ピースボートなるものを仕立てて、あそこへ出向いている日本の海上自衛隊の艦船の行動を監視するという名目で出かけていった。自分たちは非武装ですし、ちっぽけな船ですから、まあ言っていることは結構格好いいのかもしらないし、世間の喝采を浴びたかもしらないが、海賊に近づくと非常に不安になって、そばにいる自衛艦に助けてくれということを頼んだ。自衛艦に助けてくれなんて体裁が悪いので、彼らは何を言ったか。本国へ打電してきて、海上保安庁に来てくれと言ったんだ。日本の海上保安庁が、外国の遠い海まで行って、日本の艦船を擁護する義理も何もない、義務、責任もないわけですからね。

 このときも、調べてみると、一体私たちはどうしたらいいんでしょうか、そういうリーファーが防衛省の本省にあったときに、本省は何と答えたかというと、現地でいろいろなことが起こるだろうけれども、その際には警察官職務執行法にのっとって対処しろと。警察官職務執行法というのはいろいろな幅がありますけれども、そのときのあれでは、相手が悪いことをして、それが禁錮六カ月以上の罪に該当する場合には思い切った行動をしてよろしいと。

 これはおかしな話で、日本の軍人に警察官の法規を当てはめて、それにのっとって行動しろなんて、ばかなそういう措置を本省が命令する、こんな事例というのは世界じゅうにないと思うんですけれども、私たちはそろそろこのことを反省して、すべき準備をしたらいいんじゃないかと思うんですよ。

 今、防衛大臣、尖閣に出向いている船が、例えば、目の前で、何かとち狂った中国の公船か軍艦か知りませんけれども、我々の同胞の保安庁の船に、現に体当たりしてきましたけれども、装甲の厚さが違って、下手すると、ああいう衝突でも沈没させられるかもしらない。その際、これは明らかに敵意を持った攻撃でしょうが、あるいは砲撃をしてきたとき、攻撃に限らず砲撃をしたときに、その攻撃によって日本の僚船、保安庁の船が沈没したときに、日本の海上自衛隊がこれに対して砲撃、反撃できるんですか。


小野寺国務大臣 まず、委員が冒頭お話しされましたミグ25事案、これを受けて、防衛省・自衛隊、さまざまな法整備を行い、有事に関する法整備も進んでいったということであります。

 今御指摘がありました、これは仮定のお話ですので明確にお答えすることは控えますが、一般論としまして、例えば、海上警備行動を発令した中におきまして、さまざまな対応を私どもはとることができますし、それは、今お話がありました警職法の規定以上について場合によっては対応することができるということであります。

 そのようなことが起きないように、私どもとしては、海上保安庁と協力をしながら、しっかり対応していきたいと思っております。


石原(慎)委員 あなたも、やはり現況の中で、苦しい答弁を強いられていると思うんですよ。同情しますよ。私は、防衛大臣にも同情するし、あなたが率いている全ての自衛官にも同情せざるを得ない。

 警職法にのっとって日本の軍隊が行動するなんて、こんなばかな拘束というのは世界じゅう例はないので、私は、そのためにも、はっきり、自国の艦船を撃沈した船を反撃して、要するに沈没させてもいい、そういう交戦規定というものを速やかにつくっていただきたいんだ。日本には今、それがないんでしょう。


小野寺国務大臣 委員が今お話しされましたROEのことですが、これは部隊の行動基準という形で私どもはつくっております。この基準につきましては、さまざまな事案にそのときにどう対応するかということで、中で、私の指示でつくっております。

 また、こういう安全保障のさまざまな状況というのは刻々と変わるものでありますので、その都度適正に対応できるように、基準については不断の見直しを図っていきたいと思っております。


石原(慎)委員 本当に、防衛大臣は非常になかなか苦しい職務だと思いますよ、この現況の中では。

 例えば、この間、向こうの艦船が日本の、あれは自衛艦に向かってですか、レーダーを照射した。レーダーを照射したということは、つまり、それでターゲットを要するに電波的に確認して、次に攻撃するという威嚇の前提の一つの作業だと思いますよ。

 それで、仮に彼らが要するにレーダーを照射して、ミサイルを発射して日本の艦船を撃沈したときに、撃破したときに、日本の艦船はそれに反応できるんですか、反撃できるんですか、すべきじゃないんでしょうか。


小野寺国務大臣 昨年一月に、中国艦船より我が国の海上自衛隊の艦船にレーダー照射がございました。火器管制用のレーダー照射ということになります。

 そして、これは同時に、私ども、その中国艦船についてはしっかり監視をしながら、レーダー照射の後に砲の指向が実際に向いた場合、その場合には、例えば、これはもう明確に攻撃があるということを認定した場合には、私どもとして必要な対応をその時点でとることができるということであります。


石原(慎)委員 これはもうごく当たり前な答弁ですけれども、私は、仮に、仮にの話かもしれませんけれども、相手がレーダーを照射してきて、それにのっとってミサイルを発射して攻撃したときには、これは当然反撃して、相手を撃沈していいという、そこまでの踏み込んだ、きちっとした交戦規定というのをつくる必要があると思いますよ。それがない限り、私たちの警戒行動というのは何の抑止にもならないということを私たちはやはり認識した上で、速やかに、つまり交戦規定というものをつくっていただきたい。

 それをつくるということが、総理にも前にも申し上げたけれども、総理はそのときは、いや、既に鯉口は切っていると言われましたけれども、昔の侍みたいに、本当に、寄らば切るぞという、鯉口をきちっと切るということになると思うんですよ。交戦規定のないような軍隊というのは世界にあり得ないので、それをきちっと構えることが、寄らば切るぞという強い姿勢になると思う。じゃなかったら、国民はいつまでたっても安心できませんぞ。


小野寺国務大臣 これは、どこの国の艦船も同じだと思いますが、例えば、レーダー照射があり、そして、それに向けて砲の指向あるいはミサイルの指向があり、明確に攻撃をされるということがもうわかっている段階では、個別的自衛権の中でしっかりとした対応ができるということだと思っております。それは我が国も同じだと思います。

 その中で、今お話がありました部隊の行動基準、どういう場合にはこちらはどういう対応をするかというのは、これは我が方の手のうちということになりますので明かすことは控えさせていただきますが、少なくても私どもとして、必要な事態に備えられるような行動基準、これは設けておりますし、また、今後とも、想定されることについて、新たに不断の見直しが必要な場合には見直しをさせていただきたいと思っております。


石原(慎)委員 世界が時間的、空間的に狭小なものになってきて、いろいろなものが、思いがけぬ事態が頻発しておりますけれども、こういった中で、隣の中国と私たち、いろいろな緊張関係というものを構えるようになりました、決して望むところではありませんけれども。こういったものを踏まえて、ひとつ、この国をやはり自分自身の手でしっかり守るんだ、最低限守るんだという装備というものをつくるためにも、これから本予算を組まれていくんでしょうが、総理、防衛予算を思い切って拡大していただきたい。防衛予算というのは非常に裾野の広い産業でして、私は、いろいろな刺激を与えてくると思いますよ。

 特に私がお願いしたいのは、あなたが総理のときかな、アメリカがやっと協力して、C1の後続機と、それからP3Cの後続機というのを日本がつくっていいという。結局あれは、住友重工ですか、名古屋の工場がそれをつくり出しましたときに、ぜひ、日帰りで行けるから、目の前に飛行場がありますので、行って見届けていただきたいというお願いをしたと思うんです。

 航空機産業というのは、私は、これは絶対に日本にとってこれから致命的な意味を持つ産業になると思いますし、これを発達させることを絶対好まない国がある。それはアメリカです。

 アメリカは、戦後、日本の航空機産業というのを徹底してつぶしてきました。今はやりの「永遠のゼロ」という有名な、小説もあります、映画もありますけれども、あれが示しているみたいに、太平洋戦争の情勢において、世界で一番優秀な戦闘機はゼロ戦だった。本当に、全くかなう戦闘機はなかった。

 同時に、敗戦の直前に日本がつくった紫電改という、これは不思議なことにどこかの化粧品会社のヘアトニックの名前になっていますが、紫電改という飛行機は、ほとんどの戦闘機は出力がなくて亜成層圏まで飛んで行けなかったんだけれども、あれ一機だけはB29にも対応できる優秀な戦闘機だった。

 私は参議院にいるときに、源田さんに、もう引退されましたけれども、真珠湾攻撃の立役者の源田参議院議員に席を並べていろいろなお話を聞きましたが、彼も、とにかく紫電改というのはすばらしい飛行機だった、ただ、あれが量産できなかったのは、資材がなくてではなくて、燃料がなかったという慨嘆をしておられました。ゆえに、私は、日本の航空機産業のポテンシャルというのは非常に高いと思います。

 現に、アメリカの軍用機、特に戦闘機のコックピットは全部日本製です。セラミック、それからそこに並んでいる計器の中のクリスタルリキッド、液晶体、これは全部日本製でして、アメリカもこれが業腹でね。クリントン政権の第二期目のとき、突然、あれは五月か六月でしたけれども、デュアルテクノロジー調査ということで、つまり、日本が平時に使い、民間の人たちが使っている機材でも、転用すれば軍事的に非常に高性能のものになる、そういう調査にアメリカの調査団がやってきました。

 このきっかけは、あの年の初めにソニーが開発したプレイステーション2という、あれに搭載されるマイクロチップが、その精度というものは何とアメリカの宇宙船に搭載されているマイクロチップの四倍以上の出力があるということ、これを聞いて彼らは驚いて、日本人のばかが営利に駆られてこんなものを北朝鮮や中国に売られたらえらいことになってくるから、その抑制に来た。

 ついでに彼らは、当時の通産省も非常に反対したそうですけれども、関連企業の秘密工程に属するところまで強引に立ち入って、とにかく、ダッシュボードを形成しているセラミックと、そこに搭載されているクリスタルリキッドというものを、同じものをつくるという努力でそれを分析したんですが、結局諦めて、これはやはりアメリカで自前でつくっても二倍時間がかかる、二倍コストがかかるということで諦めて、日本の供与に仰ぐことに甘んじることに結論を出して帰ったという状況が今でも続いているわけです。

 私は、日本の歴代の自民党の政府が犯した大きな間違いの一つは、かつて中曽根時代に三菱重工が立案したF2の、要するに次の世代の戦闘機、その次期支援戦闘機を、アメリカが非常に恐れたもので、F15を、共同開発で、よりいい改良型をつくろうということで甘んじてやめましたが、これはやはり日本の防衛にとっても致命的な間違いを私は犯したと思います。

 どうかひとつ、F2に続く次期次期の戦闘機というものを日本がつくる、そのための努力を、あなたが命令して、とにかく日本の産業界にやらせていただきたい。そうしませんと、これからやってくるアメリカのF35ですか、ステルスか何か知りませんけれども、塗られている塗料も日本製だというけれども、これにもブラックボックスがついていて、たとえ故障しても日本でそれを直すことができないんだ。

 そういう非常に大きな制約のついた戦闘機ですから、これは、ある意味では物の役に立たない、間に合わないということがありますから、ぜひ日本の独自の要するに系列の、戦闘機というのを日本は三つ使っていますけれども、F2というものの延長の、次の次の世代の戦闘機というものも積極的に開発するということを、私は、総理の至上命令で、政府の大きな目的の一つとして構えていただきたい、それをぜひお願いします。


小野寺国務大臣 委員が御指摘ありました、例えば対潜哨戒機、新しいP1、それから輸送機であります新しいC2については、今、鋭意開発ができ、あるいは開発途中でありますが、配備をするところになっております。川崎重工のものであります。

 また、新しい戦闘機につきましては、現在、先進技術実証機ということで研究をしております。


安倍内閣総理大臣 今、石原委員御指摘のように、我が国航空産業は、かつては大変な高い技術を誇っていたわけでございますし、現在においても、今、小野寺大臣から答弁をさせていただきましたように、航空機ということでは、例えば救難機のUS2は、海難救助において大変な能力を発揮するわけでございまして、海外からの発注もあるわけであります。

 そこで、主力戦闘機等についても、やはり我が国独自の技術というのは極めて重要であろうし、そして、そこからもさまざまな民生用の技術が生まれてくるということもあるわけでございまして、そういうことも勘案しながら、同時に、最適の形において、コストの面もございますが、我が国を守るためにどういう形がいいのかということも、しっかりと総合的に勘案をしていかなければいけない。

 その中において、今、石原委員が御指摘のように、我が国の技術をしっかりと発展させていくことも大切ではないかという御指摘は、私もそのとおりなんだろう、このように思います。


石原(慎)委員 次に、違うカテゴリーの質問をさせていただきます。

 最近、中国は突然、防空航空識別圏なるものを拡大して、その縄張りを見ますと、尖閣の上空にもそれがひっかかってきますし、日本から台北という友好国に足しげく飛んでいる日本の民間航空機も、一番合理的なフライトのプランを構えれば、そこにひっかかるということになってきます。

 これに日本も非常に強く抗議しましたし、アメリカも、抗議をしたようなしないような、戦略爆撃機を飛ばして無反応なことを確かめて、それで安心したのかどうか知りませんが、その後突然、アメリカは、アメリカの民間航空機はあの航空識別圏にひっかかったフライトをするときは飛行プランを出せという命令を出しましたね。

 私たちは、それを聞いて、日本と大分姿勢が違って鼻白んだわけですけれども、これはどういうふうに解釈されますか。


小野寺国務大臣 中国の防空識別区の設定に関して、一番初めにこのことについて厳しく反応したのはアメリカ政府でありました。もちろん、日本もしっかりとした反応をさせていただきました。特に、アメリカの国防省、ヘーゲル国防長官が真っ先にこのことについては厳しい発言をされたということであります。

 この問題については、日米ともに、防衛当局も含めて、共同の対処を今後ともしっかりしていきたいと思っております。


石原(慎)委員 国交大臣にお尋ねしますけれども、今、日本の民間航空機は、中国が言い出した防空航空識別圏というのを無視して、従来の飛行プランのとおり、あの上をかすめる飛行航路をとって台湾に飛んでいるんですか。


太田国務大臣 撤回を求めている以上、当然、そうさせていただいています。


石原(慎)委員 撤回を求めるというのは、強い姿勢で非常に結構なんですけれども、当然ですけれども、それでも今飛んでいるわけですか。これは、私はやはりひとつ要注意だと思いますね。

 皆さん、覚えがないでしょうけれども、中曽根内閣時代に、大韓航空機が二機、こういう危険を冒した。

 一機は、ヨーロッパへ飛んだ飛行機が、ソビエトのムルマンスクという、非常に大事な軍事基地の近くの領空というものを飛んで、これは、戦闘機がスクランブルして、強制着陸をして、雪原に不時着をして事なきを得た。

 二度目のときは、シアトル経由でどこかへ向かって飛んでいる大韓航空機が、恐らくソウルへ向かって飛んだんでしょう、これは、サハリンとそれからその前のカムチャツカ半島を横断して、そして結局、最後はオホーツク海で撃墜されたんです。

 私は、この詳細な情報を、実はある筋から聞きました。当時、まあ名前を言ってもいいんでしょう、天川さんというえたいの知れない人物で、恐らくCIAのエージェントだったんでしょう。この人が、日本の限られた財界人に非常にホットな国際問題のニュースをCIAから情報を得てリポートする、その会がありまして、私は、敬愛していた賀屋興宣先生に推挽されて、そこに加わることができまして、そこからその詳しい情報を聞いたんです。

 これは、ムルマンスクで航空識別圏というものの侵犯を許した現地の司令官は、即座に死刑になりました。そして、同じ過ちを犯した担当の司令官というのは死刑に処するという通達が行われまして、それで、それを承知かどうか知りませんけれども、大韓航空はあるとき、堂々とその禁忌のカムチャツカ半島の上を横断して、さらに今度はサハリンを横断した。

 そのときの現地のロシアの空軍のろうばいぶりというものを、実は、日本の北部にある諜報機関が全部傍受していまして、その詳しい会話のいきさつを聞きましたが、このとき、二度目のときには、現地の司令官が非常にアップセットしまして、とにかく、暗号で発信しモスクワからの指令を仰ぐそのいとまがないものだから、ロシア語で話をしているんですね。それを全部、日本側が傍受した。

 そして、ついに三機の飛行機がサハリンからスクランブルしまして、そのうちの二機が大韓航空の旅客機の後ろにライドオンして、それでもなお、そのパイロットは、地上との、要するに普通の会話での交信の中で、これは明らかに民間機だぞと。尾灯に民間機を象徴する赤いランプが、ストロボランプがともっているけれども本当に撃墜していいのかということを再三確認して、結局、命令が下ってミサイルを発射するんですけれども、最初のレーダー追跡型のミサイルは、それてしまって命中しなかった。それで、下からの号令で赤外線追跡型のミサイルを発射して、これが熱を発射している大韓航空機のエンジンに命中しまして、それで大韓航空機が撃墜されて墜落して、多くの死傷者を出した。

 そのときに大韓航空機が発信した、デルタ・ワン・オー・ワンという、いずれの国かの諜報機関と結んだ暗号の発信が傍受されていまして、これは日本がほとんど完全につかんだんですけれども、アメリカがそれをどうしてでも取り戻そうとして、非常に中曽根内閣に強いた。そのときの官房長官の後藤田さんは、さすがに、これを非常に忌避しまして、かたくなにこれを拒んだんですが、結局、圧力に屈して、中曽根内閣はその全文をアメリカに渡さざるを得なかった。

 しかし、一体、どの国の民間航空機が、どういう圧力があってかは知りません、恐らく韓国はいろいろな負い目がアメリカにあるんでしょうけれども、それをかさに着てでも、アメリカの当局が緊急のときの暗号電報まで組んで、そしてこういう強引なフライトをさせる、その結果、数多い乗客の生命が失われたわけですけれども、そしてああいう大惨事が起こっている。

 アメリカは、オホーツク海でそのブラックボックスを回収すべく努力をしたようですけれども、見つからなかったと称している。恐らく見つかったんでしょう。見つかっても彼らは堂々とそのブラックボックスを持って帰るでしょうがね。こういった事例が現にあったわけです。

 ですから、ひとつ、それはやはりそういうものを念頭に置いて、相手という国が、何するかわかりません、共産圏というのは。ばかげたことを平気でやる国ですから、そういう国ですから。

 ですから、ひとつ、太田大臣、これは三度目の犠牲が出ないように、非常に要注意の上で、日本の民間航空にフライトというものを指導していただきたい、これを強くお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。


二階委員長 この際、藤井孝男君から関連質疑の......(石原(慎)委員「委員長、一つ忘れちゃったんです。いいですか」と呼ぶ)はい、どうぞ。


石原(慎)委員 総理、これからNSCでいろいろなことを、国家の安全保障について合議されるようですが、アメリカは実に緻密なことをやっているんです。アメリカは一番余計な戦争をしている国ですけれども、そこで出る負傷者に対する対応というものも、実に綿密に協議して、その専門家を養成しています。

 私が足しげく行っている東京の都立の広尾病院というのは、恐らく日本一、小笠原までカバーしておりますから、日本一の救急病院ですけれども、そこの院長が非常にサジェスチョンをくれましてね。これは、アフガンとイラクでの戦いで、新しい兵器によって新しい負傷者ができる、どうやってそのサージャリーをするか、外科手術をするかということをまとめた本です。

 こういったものの研究のシンクタンクを、ぜひ私は日本でつくっていただきたい。これは何も戦時というものを想定してじゃなしに、これからやってくるかもしらない災害というものにも、いろいろな形で被害者が出てきますから。そういう点では、やはり日本で一番進んでいる救急病院ですけれども、そこの責任者が、アメリカの事例を見て、ぜひこういったものを研究するシンクタンクをNSCの活動でつくっていただきたい、これは本当に国民全体にとっての安心のためになると思いますから。

 これを、参考に持ってまいりました。

 終わります。ありがとうございました。


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