石原慎太郎先生衆議院予算委員会質問(平成25年2月12日)


石原(慎)委員 浦島太郎のように十八年ぶりに国会に戻ってまいりました、暴走老人の石原であります。

 私、この名称を非常に気に入っていまして、みずから愛称にしているんですけれども、せっかくの名づけ親の田中真紀子さんが落選されて、彼女の言葉によると老婆の休日だそうでありますが、これはまたうまいなと思って、大変残念でありますけれども。

 これからいたします質問は、質問でもありますし、言ってみれば、この年になった私の、国民の皆さんへの遺言のつもりでもあります。

 私がこの年になってこの挙に出た一番強いゆえんは、実は、昨年の十月ごろですか、靖国神社でお聞きした、九十を超されたある戦争未亡人のつくった歌なんです。

 この方は二十前後で結婚されて、子供さんももうけられた。しかし、御主人がすぐ戦死をされ、そのお子さんも恐らくお父さんの顔を見ていないんでしょうがね。その後、連れ合いの両親の面倒を見て、子供も結婚し、恐らく孫もでき、ひ孫もできたかもしれませんが、その方が九十を超して、今の日本を眺めて、こういう歌をつくられた。

  かくまでも醜き国になりたれば捧げし人のただに惜しまる

 これは、私、本当に強い共感を持ってこの歌を聞いたんですが、国民の多くは、残念ながら我欲に走っている。

 去年ですか、おととしですか、東京に端を発して幾つか事例があったようですけれども、東京の場合には、四十年も前に亡くなったお父さんを葬式もせずに隠してミイラにして、しかも数十年間その年金を詐取していた。このケースがあちこちで頻発して、政府は、どういうつもりか知りませんが、その数を公表しませんでしたが、こういう我欲が氾濫している。しかも、政治家は、そういうのにこびて、ポピュリズムに走っている。

 こういった国のありさまを外国が眺めて軽蔑し、もはや、うらやむ、そのようなことはなくて、とにかく日本そのものが侮蔑の対象になっている。好きなことをされて、好きなことを言われている。なかんずく、北朝鮮には、物証も含めて数十人、いや、二百人近いですか、人が拉致されて、中には殺されている。これを取り戻すこともできない。

 こういった国の実態を眺めて、この戦争未亡人が、あの戦のために死んだ自分の御主人というものを、自分の青春を想起しながら、とにかく、ただに惜しむという心情を吐露されたのは、私は、うべなるかなという気がしてならないんですね。

 さて、総理が総裁選に出られる前、ある人の仲立ちで一晩会食いたしましたが、そのとき、私、いろいろなことをあなたにお聞きして確かめました。非常に心強い思いをして、期待しておりました。

 まず、この国を今日の混乱あるいは退廃に導いた一つの大きな大きな原因である現行の憲法についてお聞きしたいと思います。

 人間の社会に存在するいろいろな規範というものは、結局は、人工的なものはあるでしょうけれども、人間の歴史の原理というものがこれを規制して、それにのっとっていると思いますね。

 戦争の勝利者が敗戦国を統治するために強引につくった即製の基本法というものが、国に敗れ統治されていた国が独立した後、数十年にわたって存続しているという事例を私は歴史の中で見たことがない。

 もし、ちなみに、日本という独立国の主権者たる、つまり最高指導者の総理大臣が、この歴史の原理にのっとって、かつて勝者がつくって一方的に押しつけた憲法というものを認めない、これは廃棄するということを宣言したときに、これを阻む法律的見解というのは果たしてあるんでしょうか。

 そういうものを含めて、あなたが今、日本の憲法についていかにお考えかをお聞きしたい。


安倍内閣総理大臣 確かに、今、石原先生がおっしゃったように、現行憲法は、昭和二十一年に、日本がまだ占領時代にある中においてマッカーサー試案がつくられ、そしてマッカーサー試案が、毎日新聞によってスクープをされるわけでありますが、このスクープを見たマッカーサーが怒り狂い、もうこれは日本に任せておくわけにはいかないということで、ホイットニーに命じて、そして、ホイットニーが二月の四日に民政局の次長であるケーディスに命じて、二月の四日だったんですが、二月の十二日までにつくれと言って、ほぼ八日間、一週間ちょっとでつくり上げた。それが現憲法の原案であったわけでございますが、それが現在の現行憲法のもとである、このように認識をしております。


石原(慎)委員 ですから、その憲法を、今の日本の最高指導者であるあなたがこれを廃棄すると仮に言われたときに、これを法的に阻害する根拠というのは実際はないんですよ、どこにも。

 それに加えて、最近、北朝鮮はいよいよ核の開発に着手しています。地震も起こして、そういうのが検証されましたが。

 かつて、自民党の政調会長をしていた、私の盟友だった中川一郎の息子さんの中川昭一君が、日本もそろそろ核のシミュレーションぐらいしたらいいんじゃないかと言ったら、慌てて、あのときのアメリカの政権の国務長官、ライスが飛んできて、これを慰撫したという事実がありました。

 しかし、こういった非常に厄介な状況というのが日本の周りでどんどん進展している中で、私たちは、憲法の破棄なり改正というものを含めて、この国をもっと自分自身で守る、守り切るという基本的な法的な体制というのをつくる必要があるんじゃないかと思う。

 日本人がなぜか非常に好きなトインビーの「歴史の研究」という本の中に有名な文句がありますけれども、いかなる大国も衰亡し、滅亡もする、しかし、国が衰弱する要因は幾つもあって、これは自覚できる、そしてその対処もできる可逆的なものだ、ただ、一番厄介な大国の衰亡あるいは滅亡につながる要因は何かというと、自分で自分のことを決められなかった国は速やかに滅びるといって、国の防衛を傭兵に任せたローマ帝国の滅亡を挙げています。

 私は、これを、総理初め国会議員、国民の皆さんに思い直してもらいたい。ちょっと耳の痛いことになるかもしれませんね。

 今では神格化されているかつての名総理だった吉田茂総理、この側近中の側近であった白洲次郎さんから私はおもしろいことを聞きました。私は割と年早く世間に出ていたものですから、当時は文壇というのがありまして、その文壇の催し物、ゴルフの会などで、小林秀雄さんと非常に仲がよかった白洲次郎の奥さんの正子さんの縁で白洲さんも出てこられて、一緒にプレーをしながらいろいろな話をしましたら、白洲さんが、吉田先生は立派だった、しかし、一つ大きな間違いをした、それは、サンフランシスコ条約が締結されたときに何であの憲法を廃棄しなかったのか、こう言っていました。私は、それを今になって思い起こすんです。

 麻生さん、副総理として大事なポジションにいらっしゃるけれども、これは、あなたは安倍さんと一緒にこの問題について考えてもらいたい。

 ちなみに、おもしろいお話をしますと、私の盟友、盟友というか非常に親しい友人であった村松剛という文学者がいました。これは亡き三島由紀夫さんとの共通の親友でしたけれども、彼が、トロントの、カナダの大学に交換教授に行って帰ってくる途中にニューヨークに寄って、ニューヨーク・タイムズの日本とドイツが降伏したその日のエディトリアル、社説をコピーして持ってきてくれた。それを読みました。

 非常に対照的でおもしろかったのは、日本より数カ月前に降伏したドイツについては、この国は民族は非常に優秀だけれども、ナチスによって道を間違った、我々は、彼らが速やかに立派な国をつくるため、あらゆる手だてを講じ協力しようと書いてある。日本の場合にはちょっと違う。物すごい大きなナマズの化け物みたいな怪物がひっくり返っていて、その大きなあんぐりあいた口の中に、ヘルメットをかぶったGI、アメリカ兵が何人か入って、やっとこで牙を抜いている。そして、その論説に、この化け物は倒れはした、この醜く危険な化け物は倒れはしたが、まだ生きている、我々は世界のために、アメリカ自身のために、徹底してこの化け物を解体しなくちゃいけないということで、とにかくあの憲法というのはでき上がったんです。私たちはこれをやはり銘記する必要があると思う。

 この二つの論説の違いの根底にあるのは、はっきり申しますけれども、近世というものを支配してきた白人のエゴイズムといいましょうか、人種差別による非常に大きな偏見だと思います。

 日本人が割と好きなトインビーは、日本の近代化というのは世界の歴史の中の奇跡だと、ばかなことを言った。日本人はこれを喜んだ。しかし、これは何をもってするかというと、トインビーの日本の近世というものに対する不認識というか無知にほかならない。

 江戸という成熟した期間があったからこそ、日本の近代化は唯一、有色人種でできたのでありまして、江戸の時代には何が起こったかといったら、私が苦手だった高等数学でいうと、微分積分というのは関孝和という人が江戸で発明した。私は文献を読みましたら、算用数字じゃない、漢字で書いてあって非常に読みにくいんですが、それから五十年おくれてドイツはライプニッツが微分積分を考えた。さらに、ニュートンがそれより三十年おくれて、つまり、関に比べて八十年もおくれて、とにかく微分積分を考えた。

 経済でいうと、抽象経済、先物買いとかデリバティブとか、為替なんというものを考えたのはイギリス人と思われているが、とんでもない。はるかに先に江戸の堂島の要するに商人が、とにかくこういう抽象経済を始めたんです。

 そういった、とにかく日本の近世の成熟というものをトインビーも知らなかった。外国人も知らずに、有色人種の日本人が列強に対比できる近代国家をつくったとは、白人のおごりからすれば、いまいましくて許せないことなんでしょう。そういう認識に立って、ニューヨーク・タイムズの論説というのは日本とドイツの降伏を比較しているわけです。これは、私から言わせると本当に笑止千万で僣越至極の話でありますけれども、そういう流れの中で日本の憲法ができた。

 この憲法、議員の諸君も精読した人はいるんでしょうか。憲法、憲法と言うけれども。あの前文の醜さ、何ですか、あれは一体。例えば、ここに「この憲法を確定する。」日本語で言えば、普通、法律を決めるというのは制定ですよ。それから、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、」恐怖と欠乏から免れ、ちょっとおかしな日本語だね。助詞の常套からいえば、これは恐怖と欠乏を免がれなんです。

 日本語の助詞、間投詞というのは非常に大事でして、これ一つ間違うと、全然その作品の印象、文章の印象も違ってくるんですけれども、これを全く無視した、日本語の体をなしていない、英文和訳とすれば七十点もいかないような、こういう文章でつづられた憲法が、実はいまだにとにかく破棄も廃棄もされずに、非常に、これが醸し出した、吉本隆明の言葉じゃないけれども、絶対平和という一種の共同幻想というもので日本をだめにしてきたんです。

 どうかひとつ、総理、それを考えて、この憲法をできるだけ早期に、大幅に変えて、日本人のものにしていただきたい。そのためには、私は挙げての、いかなる協力もします。

 それで、一つ伺いますけれども、第一条の、天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であると書いてありますが、この象徴の具体的意味というのはどういうことなんでしょうか。どう解釈されますか。


安倍内閣総理大臣 象徴というのは、いわば、日本国において、権力を持つ存在ではなくて、まさに日本の長き歴史と伝統と、そして文化と日本国民を象徴する存在であるというふうに私は理解をしております。


石原(慎)委員 大まか、まさに正しいと思いますね。これは決して政治的な権力、権威というものの象徴じゃないんです。

 もっと具体的に言いますと、天皇は、現今の世界の中で唯一のプリーストキングですね。プリーストキングという意味は、神道という、これは果たして宗教かどうかわかりませんが、神道の大司祭なんです。

 神道は、私は普通の宗教とは違うと思いますよ。これは言ってみると、カントが言った、理性を超えた人間の非常に崇高な属性、感性というか情念といいましょうか、そういったもののとにかく結晶であります、神道というのは。

 ですから、熱心なカトリック教徒の曽野綾子さんが、伊勢神宮に行って、まざまざこれが日本だということを自覚したとエッセイに書いてありました。私もつき合って何日か同行したことがありますけれども、日本にやってきたアンドレ・マルローは、三重県ですか、那智の新宮に行ったときに、あの鳥居をくぐってから、ちょっと待ってくれとバックするんですな。それで、なるほど、この宮の神体はあの滝だなと言って、鳥居の中に滝をおさめて感心する。

 つまり、何か人間の国境を越えた感性というものが要するに神道という形で結晶しているわけで、私は、その神道の大祭司たる天皇は、そういう意味での、つまり日本の感性、それがもたらした文化というものの象徴であって、決して政治の象徴じゃないと思いますね。

 それで、それに付随したことでありますけれども、総理は、ことし靖国神社に参拝されますか、されませんか。私は、してもしなくてもいいと思っているんだけれども。


安倍内閣総理大臣 靖国参拝について、私はいたずらに外交的、政治的問題にしようとは思っておりません。ですから、私が靖国神社に参拝する、しないということについては、申し上げないということにしております。

 一方、国のリーダーがその国のために命をかけた英霊に対して尊崇の念を表する、これは当然のことであろう、そのようにも思っております。


石原(慎)委員 なかなか、聞いていてよくわからないような、わかるような難しいお答えですけれども、私は行かなくていいと思いますよ。これは、あなたが行くと結局政治問題になる。

 ならば、そのかわりに、国民を代表して、あなたが一つのことをお願いしてもらいたい。それは、ぜひ国民を代表した総理大臣として、ことしは天皇陛下に靖国神社に参拝していただきたい。

 これは決して政治的行為じゃありませんよ、文化的行為だ。宗教的な問題でもない。さっき言ったみたいに、神道という人間の情念の結晶の、その代表者である、象徴である天皇陛下が、戦争で亡くなった人を悼んでお参りをされるということは、これは祭司として当然のことで、これに異議を唱える国はないと思うし、天皇がそういう行動をとられることで、あの戦争を肯定することにも否定することにもならない。

 あの戦争に対する評価について言えば、日本人はいまだに、一方的に、ニュルンベルクなどと同じように、戦勝国が敗者を裁いただけの東京裁判の史観にとらわれているようですけれども、しかし、その後、マッカーサーはアメリカの議会で、今から考えてみたら、あの戦争はやはり日本にとって自衛の戦争だったと証言しているじゃないですか。

 私が、若いころ、高碕達之助さんの紹介で会うことのできたエジプトの二代目の大統領ナセルも、それから、その後しばらくして会ったインドネシアのスカルノ大統領も同じことを言いました。我々が独立を果たせたのは、第三次世界大戦に勝ったおかげだと。第三次世界大戦というのは何ですかと聞いたら、独立戦争だ、それができたのは日本のおかげだと。私は、その言葉は今でも重く受けとめていますし、あれによって、やはり世界が変わり、国連に、有色人種の国が独立して一票を投じるような資格を得たんじゃないんですか。

 ですから、この靖国参拝が政治的に解釈されて、あの戦争というものの価値観というものにひっかかってくるならば、これはとにかくやめたらいい。やられる必要はない。そのかわり、神道の祭司である天皇陛下に、国民を代表して、ぜひぜひ、とにかく靖国参拝していただきたいということをあなたからひとつ陛下に奏上して、お願いしていただきたい。いかがでしょうか。


安倍内閣総理大臣 陛下の御親拝について私が云々する立場ではございません。

 しかし、今、石原議員がおっしゃったように、国のために命をささげた人たちに対する敬意の表し方は、本来政治的なものではないわけであって、そして、ジョージタウン大学のケビン・ドーク学部長、彼はカソリックでありますが、彼が論文に書いておりました。アメリカにおいて、南軍も、そして北軍の兵士もともに埋葬されている、そこに、もし大統領が参拝をしたからといって、決してそれは南軍の、例えば奴隷制度を維持するという考え方に賛成するものではなく、ただただ国のために命をかけた人々に対する敬意の表明でしかない、そのように論文を書いていましたが、私も、そのとおりだろうな、こんなように思っております。


石原(慎)委員 次に、日本とシナの間の紛争の種になっている尖閣についてお伺いしたいんです。

 ついでに申しますと、シナという言葉は、日本人が使うとひんしゅくを買うようですけれども、これはおかしいんですね。中国、シナの政府のコメントを発信しているインターネットのサイトを開きますと、そのアプローチのイニシャルはsina.comですよ。シナですよ。

 これは、何で日本人がシナと言い、仄聞するとこれは孫文がつくった言葉らしいけれども、チャイナという言葉があり、シーヌというフランス語があって、チヌというスペイン語があって、キヌはドイツ語ですか。中国というのは、あなたのお膝元の山口県とか岡山県とか広島県のことを言うんです。シナはシナでいいじゃないですか。まあ、それはどうでもいいが。

 それで、尖閣を日本は実効支配していると。言葉は勇ましいこの実効支配というもののさらに具体的な実態というのは何なんですか。


安倍内閣総理大臣 尖閣諸島は、歴史的にも法的にも我が国の固有の領土でございますが、日本が今、有効に支配をしております。

 この有効に支配をしているということについて言えば、いわば我が国の領海、尖閣から十二海里は我が国の領海になるわけでありますが、この領海においては、我が国の海上保安庁の船がこの海を管理しているわけであります。また、その接続水域についても管理をしているということであります。


石原(慎)委員 かつて、トウショウヘイが日本に来ましたときに、誰かの呼びかけでか、この尖閣の問題を持ち出した。トウショウヘイは、非常に厄介な問題なので棚上げにしましょうと言って、日本の特に外務省は喜んで、相好を崩して、そうしましょう、そうしますということで今日に至ってきた。

 でも、私たち青嵐会は、これに非常に反発しまして、拠金して、あのとき関西の冒険部の学生たちに頼んで、あそこにちゃちな灯台をつくった。これは、バッテリーにポールを立てて、その先に電球をぶら下げて傘をつけたようなただの明かりでしたが、それでも、それを頼りに避難して風待ちしていた漁船に次の日学生たちが非常に感謝されて、学生たちは非常に感動して、私たち、国家というもの、民族というものを感じましたと報告してきたんです。

 その後、みんなは右翼と蔑称しているようですけれども、青年社という右翼団体が、政治団体があそこに行って、かつて古賀さんがかつおぶしの工場をつくるためにつくった水路があるんですが、水路は船が一杯入るだけの本当に細い水路で、そこのたもとのところに立派な灯台をつくってくれた。これは、そのための苦労で一人、青年社の沖縄の支部長が疲労死するような、犠牲になってやってくれたんだ。私は非常にそれを多としたんですけれども、これは国家にとっていいことですか、悪いこと、迷惑なことですか。


安倍内閣総理大臣 その灯台がつくられたのはかなり昔の話でございますが、しかし、灯台ができたことによって、その近くを通る人たちが大変それは有益であるというふうに話をしているということは聞いたことがございます。


石原(慎)委員 それで、私は、非常にその苦労を多としまして、たまたま運輸大臣もしていたことがありますので、古巣の運輸省の水路部に行って、これを正式にチャートに、海図に記載してもらいたい、そのために不備な点があったら直させるから行って見てくれと言ったら、三点指摘されまして、その後、要するに、灯台としてチャートに、海図に記載するために必要条件というのを満たしてくれた、お金をさらに出して。

 水路部がこれで結構ですと言うので海図に記載しようとしたら、おかしなことに、外務省から待ったがかかった。何が待ったがかかったか。時期尚早という待ったがかかった。

 時期尚早と言って、正式な灯台を正式に海図に載せないことが実効支配と言えるんですか、どうなんですか。


安倍内閣総理大臣 海図に載っていないかどうか、私もちょっとつまびらかに承知をしていないわけでありますが、そうした事実があるかどうかということは確認をしてみたいと思います。


石原(慎)委員 そこで、それから二十年たちまして、私の息子がたまたま国交大臣をしているときに、彼に厳命しました。いかなる責任においても、あそこの灯台が日本製であり、日本国がつくったということを示すためのプレートを張れと言ったら、外務省と交渉したのかもしれませんが、国交省はあそこに、日本国、保安庁の水路部というんですか、これをつくるというプレートを張りまして、そのコピーも今ありますけれども、我々はこれは当然の措置だと思いますね。

 いずれにしろ、私は、今、日本がやっていること、これは本当に実効支配とはとても言えないと思います。

 その灯台について、私、横田の問題で後でお話ししますけれども、国防総省に行って、あれは副長官でしたか、ウォルフォビッツに会ったときに、たまたま、日本の外務省がだらしないのでこういうことなんだと言ったら、彼は、私はちっちゃな船を自分でもやりますけれども、石原さん、きちんとした発光物が海図に記載されていなかったらこれは非常に危険じゃないですかと言って、逆に同情されましたよ。

 とにかく、そういう実態が二十年続いて、やっとあれが正式に記載されたけれども、しかし、いかにも場所がよくないですね。

 これは、かつてかつおぶし工場があったところにアプローチのためにつくられた灯台であって、あの周りは非常に暗礁が多いので危険な水域で、海流も速いので、私は、できればあの魚釣島の一番大きな島の頂上に、周囲八方から見える灯台をつくるべきだと思います。

 これは何も日本の漁民のためじゃなしに、あそこを航行する全世界の要するに航行者のために非常にメリットになることだと思いますけれども、ぜひそれをやってもらいたいと思うし、たまたま、とにかく、私が、なかなからちが明かないので東京都であれを買おうということを言い出したら、たちまち拠金が集まって、今でも基金としてとにかく積んでありますし、これはぜひ安倍内閣で、あのお金を有効に使って国民の期待に応えてもらいたい。そのためには、まず、やはり最初にあそこに、一番見えるところに灯台をつくるべきだと思いますよ。

 ということを、私の知らないうちに買われちゃったと思うけれども、かつての要するに民主党の野田政権のときに、野田前総理がこのことについて話したいと言うから、そのとき私もだまされていたと思うんです、とっくに国は札びらでほっぺたをたたいて持ち主からあの島を買い取っていたと思うんだけれども、つまびらかにしませんが。さしで話をしますと妙に尾ひれはひれがつくので、私の仲間の園田議員が野田さんとも交友関係があるというので、彼に頼んで立ち会ってもらいました。

 そのときに私は幾つかの条件というか要望をしたんですが、園田さんが、私は石原さんが行ったらあそこに軍隊を置けなんということを言い出すんじゃないかとはらはらしたけれども、野田さん、これぐらいの要望なら聞いたらいいじゃないですかと言ったんです。

 それは、まず灯台をつくるということ。

 それから、日本のあそこで操業している石垣の漁民というのは、小さな小さな船なんですよ、せいぜい乗員が二人か三人の。あそこにやってくるシナや香港や台湾の船は、乗員が二、三十人乗っている大きな大きな船なんです。あそこにしけが来ますと、私もヨット乗りですからよくあるんですけれども、シーアンカーを流して風に向かって微速前進してヒーブツーするんです。麻生さんの弟さんはヨット乗りで遭難して亡くなったけれども、ヒーブツーするんです。

 ところが、動力のついている漁船でヒーブツーしても、石垣の漁船は小さな小さな、せいぜい乗員二、三人の船ですから、一晩、二晩風待ちしていると燃料が尽きて帰れなくなっちゃうんですよ。シナや香港や台湾の船は三十人ぐらい乗っている船ですから、一晩、二晩風待ちしても何でもない。しかも、あそこは太平洋を循環している黒潮が湧き上がってくる非常に豊穣な漁場で、高級魚がとれて絶好の漁場なんです。だから、彼らがやってきて乱獲をする。日本の船が流したはえ縄を切って、あるいはそのはえ縄の獲物まで盗んで、そういうことをしているんです。

 ですから、とにかく、日本の非常に零細な漁民があそこまで出かけていって、嵐が来たときに二、三日風待ちできるように、港とは言いませんよ、せいぜいこの部屋の半分ぐらいでもいい、船が何隻かそこに泊まって、岸からもやいをとって一晩、二晩過ごせるような船だまりをつくってくれと言ったんですけれども、野田君は、いやと言って、渋面、渋難な面持ちで、まずそれはステップ・バイ・ステップでしょうと言う。

 ステップ・バイ・ステップの最初のステップは何かなと聞いたら、燃料がないところだから、エネルギーのないところだから、太陽パネルを持っていくと。太陽パネルを持っていって電気を起こしたって、灯台をつくらなかったら意味ないじゃないですか。それで、わけのわからない会合が終わった。そのうちに国が買い取っちゃって今のていたらくです。

 あれは、むしろ東京が買い取っていたら、東京と石垣市が一緒になって仕事をしたら、沖縄の県知事は余り僕に好意を持っていないみたいで何かいい返事をしなかったけれども、とにかく、沖縄県とでも組んで、石垣とも組んであそこで事業を始めたら、シナは地方の自治体がやり出したことにどんな文句をつけたんですかね。国対国の問題にしちゃったから、何かいろいろいちゃもんをつけて変な関係になっちゃったけれども、むしろ東京が買って、沖縄と石垣と一緒に仕事をした方がよかったんじゃないかという気がします。まあ、これは今から言っても愚痴にしかなりませんけれども。

 灯台というのは大きな意味があるんですよ。かつて、北方四島の問題がごたごたしたとき、社会党のばかな議員がモスクワに行って何を言ったかといったら、貝殻島というのは非常に危険なところなので、灯台をつくってもらったら安全に操業できると。ロシアもすぐつくった、ちゃちな灯台を。それから、灯台をつくったからうちの領土だということで、貝殻島から納沙布岬の間に国境線を引かれて、あそこが国境になっちゃった。

 こういう意味合いを灯台が持つということをひとつ銘記して、総理、最低限、実効支配を具体的に表現するためには、これはやはり、あそこを通航する全国民のために灯台をつくっていただきたい。これを熱願いたします。これはお答えは要りません。

 次に、今非常にとげとげしている日本とシナの間の関係、特に軍事に関する問題についてお聞きしたいんですが、この問題、シナが非常に挑発的で、嫌がらせをしている。日本は我慢しながら応えている。国民の意見は、みんな共通して、冷静に毅然として対応してほしい。冷静というのはどういうことですか。


安倍内閣総理大臣 冷静というのは、正常な判断力を備えながら対応していく態度ではないのかなと思いますけれども。


石原(慎)委員 そうですね。

 冷静な判断力、いろいろありますが、事大きな紛争、軍事行動につながる、そういう条件についても冷静に情報をとって判断することが私は政府の責任だと思いますし、同時に、これはやはり、それが毅然とした態度を導くために一番必要なすべだと思いますよ。

 私も、この問題について非常に関心があるから、いろいろなヒアリングをしました。防衛省の内局、文官の言っていることは全部だめ。甘いというか、何を言っているかさっぱりわからない。

 私が何人か聞いた、現職の自衛官、あるいは、つい最近まで責任のある地位で訓練もし、訓練の指導もしてきた、そういう軍人の、現職あるいはごく近いOBの話を聞かれると、違う判断ができてくると私は思いますね。

 それは、内局の判断なんというのは、大体が、彼らは全然飛行機にも乗ったことがない、船にも乗ったことがない、訓練もしたことがない。その連中がペーパーの上でなぞって、あなたにどんな報告をするか知らないけれども、こんなものは、要するに、一旦緩急のときの毅然たる態度を導くための情報にはなり得ない。これをどうかひとつ胸にしまって、これからいろいろな判断をせざるを得ない時期が来るでしょう。そのためにもぜひ、現役のとは言いません、ごく最近のOBでも結構なので、その人たちの意見も聞いてもらいたい。

 というのは、彼らは、実際に自分で戦闘機に乗って、あるいはほかの国の戦闘機にも乗って、そういう体験をしている。ドッグファイトの経験もある。そのときに、彼我の練習量がどれだけ違うか、どれだけ飛行機の性能が違うかを知っているんですよ。

 例えば、シナが今非常に誇示している、ロシアからもらったスホーイ、スホーイ20ですか幾つですか、あの戦闘機の性能というのは、ロシアがインドに渡したのとシナに渡したのは、大分性能が違うんですよ。ロシア人は何か非常にシナ人が嫌いで、シナにはろくな戦闘機を与えていない。こういったものの性能の格差というもの。

 しかも、日本が使っているF15の改良型、これは中曽根さんのときに、次期支援戦闘機のすばらしいものをつくろうということをアメリカが妨害して、泣く泣く日本はおりた。そのかわりに、共同改良をして特殊なF15を日本とアメリカは持っているんだけれども、要するに、この性能とシナやインドがもらった戦闘機の性能の格差というのは、これは銘記しておいた方がいい。

 それから、仮にですよ、仮に仮に仮にだけれども、尖閣をめぐる軍事紛争が起こったときに、あの島をシナが占領して何になるんですか。これはちょうど、日本が無謀に出かけて占領したガダルカナルと同じことになるんだ。ロジスティックに、あの島はもたない。兵たんが続かない。そんな海上輸送能力は持たない。

 シナの海軍の実力というのは、みんな、何か知らぬけれども、過大評価というか幻想に惑わされて、丹羽なんというばかな大使とか、どこかの野党か与党か知らぬ政党が行って、ぺこぺこ向こうに何か言って頭をなでられて帰ってきたけれども、私は、やはりもうちょっと冷静にこういう現実を把握して物を言ってもらいたい。

 あのわけのわからぬ航空母艦、あれは、ロシアが持て余してスクラップで売りに出して、十五億円で買ったんだ、シナが。それで、動かそうと思ったらエンジンが動かないから文句を言ったら、ロシアの古い巡洋艦のエンジン二つを持ってきてくっつけたけれども、よく動かない。航空母艦が十六ノットでしか走れなかったら飛行機は発着できませんよ。

 何とかという総理大臣だか主席だか知らぬ人間が、今度、代がかわったみたいだけれども、あそこに水兵を並べて、赤と白のユニホームで二百人並べて閲兵して、えらい写真を見せて、それは、東南アジアの小さな国はアイヤーと言うかもしらぬけれども、世界じゅうの物笑いなんだ。あんなもので海上の覇権なんかできっこない。まして日本の海上自衛隊、海軍の対潜能力というのは世界一ですからね。

 私は、その限りで、彼らが尖閣周辺の紛争に関して制空権、制海権を持てることは絶対ない。ただ、これから先はわかりませんよ。

 中国も、シナも膨大な経済国になった。しかし、面積が広い、需要も大きい、こういったものを補給するため、エネルギー一つだけじゃなしに、資材もそうですが、ロジスティックの海上シーレーンというのは彼らは今の状態で保持できますか。できっこない。できっこないことを知っていながら、ばかな挑発をしている。

 だったら、そういうものも含めて、日本は毅然とした態度をとったらいい。毅然とした態度は何かといったら、パチンと鯉口を切ることですよ。刀を抜くのはばかなの。しかし、昔の侍と同じように、寄らば切るぞと、パチンと鯉口を切ったらいいんだ。そのぐらいの決心はしないと、国民が冷静に毅然としてという、政府に対する要望には私はとても応え切れないと思いますが、いかがですか。


安倍内閣総理大臣 私に対する印象は、常に鯉口を切っているような印象を与えているというところがあるかもしれませんが。

 しかし、大切なことは、この尖閣について言えば、我が国の固有の領土であり、そしてこれは交渉の対象でもありません。断固として、我が国は、我が国の固有の領土、領海そして領空は守っていくという決意を示していくことであろう。万が一にも、これは実効支配を揺るがすことができるかもしれないと相手国に思わせることがあってはならない、このように思います。

 その観点から、来年度予算につきましては、約十一年ぶりに防衛予算をふやしました。そして、兵員については約二十年ぶりに実増させたわけでございまして、また、海上保安庁においてもそうであります。しっかりと、相手につけ込むすきを与えないように備えを確かなものにしていきたい、このように思います。


石原(慎)委員 しかし、さりながら、日本の防衛体制も非常に大きな欠陥があるんですね。

 これはミサイルの問題ですが、日本のミサイルに対する迎撃のミサイルの数と、相手が持っている数はかなり違う。一度に二、三十発のミサイルを撃ち込まれたら、半分ぐらいは撃ち落とすけれども、その半分はなかなか途中で抑止して撃ち落としできない。これはやはり深刻に考えていただきたい。

 ただ、ミサイルが飛んできても、搭載されているウオーヘッドというのは普通の爆弾ですから、例えば、北朝鮮にしろシナにしろ、ミサイルが仮に飛んできてこの国会に当たっても、この国会議事堂が全壊するような破壊力はないんですよ。ただの爆弾と同じなんです。とにかく、それはそれで大きな引き金になって、それによって核戦争が誘発されるようなことはあり得ないし、あってはならないし、そこまでシナも愚かじゃないと思いますが。

 そういう点で、私は、日本とアメリカの防衛関係というのはもっときちっとする必要があるし、大体、日本がどんどんどんどん孤立している軍事行動の中で、集団自衛権なんていうのは当然これはやはり表示して、実行すべきだと私は思います。じゃないと、結局、日本は孤立するだけで、周りからも疎まれて、荒神山の戦いじゃないけれども、ひとりだけ逃げちゃって、要するに、刀の刃こぼれもなかった神戸長吉みたいになりますぞ。

 私も、かつて都知事をしているときに、北朝鮮のノドンができたんですか、それで、そのための防衛態勢で東京にも防衛ミサイル、エア・ツー・エアの、地対空のミサイルを配備すると。結構だ。一番目につくところに置くべきだ。まず大事なことは皇居を守ることだから、私はそう思っています。しかし、防衛庁は、できるだけ目立たないようにします、日比谷公園に置かせてくれと。ばかなことを言うなと言ったんです。置くなら皇居の前の広場に置けと。国民が意識して、やはり危機感を持つためにも、どうして広場に置かないで、日比谷公園みたいにうっそうとした森の中に置く必要があるんだと言ったら、それはうやむやになりましたが。

 とにかく、ミサイルの整備も含めて、向こう十年間は、まず、私たちは通常兵器での戦闘でシナに劣ることはないというのは、これは日本の専門家、現役の軍人あるいはアメリカのDIA、さらには一番情報を持っているイスラエルのモサドといった連中たちに聞いても、その評価は変わらないんですよ。

 ただ、十年たったらどうなるかわかりません。そのためにも、防衛費というのは大幅に増加させる必要がある。

 あの三木武夫というばかな総理大臣がいました。大嫌いだよ、あんなやつは。あれが、何を勘違いしてか、武器の輸出を禁止する原則をつくった。それから、何の根拠か知らぬけれども、総予算の一%以内に防衛費をとどめる。こんな論拠のないセンチメントに駆られて、こういうものが国是らしきものとしてまかり通っている現実というのは、私は世界に例がないと思いますよ。これを、毅然じゃない、当然変えることが、私は、安倍内閣の総理、副総理の責任だと思いますな。

 それで、もう一つ。日本は新しい、すばらしい技術を持っているんです。

 ノーベル賞というのは当てにならない賞ですけれども、非常に政治的なものがあってね。だって、そうじゃないですか。オバマは、世界の核兵器をなくしましょう、イエス・ウイ・キャンと言って、三カ月後にあいつらは新しい核兵器のシミュレーションをやっているんですよ。

 だから、佐藤さんが領土を取り戻して平和賞をもらう、これは当然のことだと思うけれども、その他この他、かなり紛らわしいものもあるんです。一番いいかげんなのは経済学賞ですかね。アメリカの経済学者でノーベル経済学賞をもらったやつがつくった会社で、潰れたのが五つか六つありますからね。

 ただ、中で、自然科学の分野でのノーベル賞は非常に信憑性がある。そして、うれしいことに、二十一世紀に入って、日本人がとった自然科学分野でのノーベル賞の数はヨーロッパに匹敵するんです、全ヨーロッパに。これは日本の大きな国力ですよ。

 しかも、ノーベル賞の対象にならないけれども、すばらしい技術を改良してどんどんやっている人がある。例えば、小さな工場が寄せ合ってつくった「はやぶさ」、あれは、とにかく四十億キロ飛んで帰って、数年おくれでそれをアウトソーシングで戻して戻ってきた。こんな技術を持っている国が世界にありますか。

 こういったものを活用して何ができるかというと、アメリカが考え出したコンベンショナル・ストライク・ミサイルという戦略兵器がある。これは一旦宇宙に消えちゃうんだ、それで正確なGPSで戻ってくる。例えば、二千キロ離れたターゲットでも、この水差しに爆弾を当てようと思ったら当たるぐらいの精度がある。ただ、このGPSのシステムは全部アメリカ依存ですから、日本は日本なりのものをつくる必要があるけれども。

 これはどういうものかというと、アメリカンフットボールで混戦になったときに、何とかポイントしたいというときに、あるメンバーが後ろにいるクオーターバックにとんでもないバックパスを出す、そのボールをとったクオーターバックは、とんでもないロングスローで、前を走っているフォワードがとってタッチダウンする、これに似ているんですよ。

 それをできる基地というのはどこにあるかといったら、日本で唯一、南鳥島。これはぜひ、余り暇もないだろうけれども、誰か閣僚に行かせたらいい。これは、自衛隊が今あそこに駐在していますが、島が小さ過ぎてランウエーが足りないから、やはりジェットの着く滑走路が要るでしょう、大きな船の着く港が要る。それであそこを整備したら、格好の発進地になる。

 これは、本気で政府が、核弾頭を積まずに済むんですけれども、しかし、非常に大事な要衝をヒットできる、必殺仕置人のあれじゃないけれども、完全にピンポイントでとどめを打つことができる、そういう兵器なんですよ。アメリカも着手し出した。一番進んだポテンシャルを持っているのは日本なんです。

 私、この話を聞いて思い出したのは、かつて、リビアのカダフィが血迷って核兵器を持つと言い出した。みんな反対したけれども、狂犬狂犬と言われた人間だから何をやるかわからぬので、アメリカは何をやったかといったら、イギリスにある空軍基地から発進して、数機の編隊で、あのときはフランスに相談したら、フランスが嫌がって領空の上を飛ばさなかったので、ジブラルタル海峡を迂回してリビアに行った。それで、当時のGPSの精度ですから知れているんですけれども、カダフィの居住区を八つか六つのメッシュに区切って、その一つ一つを徹底的に爆撃したんですよ。そのメッシュの一つにカダフィの最愛の第三夫人がいた。その子供は二人ともそれで爆死した。それでカダフィは卒然として核兵器の保有をやめた。こういう事例があるんですね。

 ですから、寄らば切るぞというもの、すばらしい、人が持っていない刀というのは、まず持たなくちゃいけない。この開発は、核の保有と違ってひんしゅくを買わない。日本の先端の技術を結集すればできることですから。これはやはりぜひぜひ考えていただきたい。本当に考えていただきたい。いかがですか。いや、防衛大臣はそんなの知らないよ、なりたてで。もっと大きなことだから。君、やるならやれよ、本当に。


麻生国務大臣 そんなに詳しいわけではありませんけれども、その経緯、「はやぶさ」の内容をそこそこ知っているもので、お二方に比べて知っている程度だと思っていただいて、余り過剰期待されると困るんですが。

 今言われたのは、これは、極めて優秀な機械、優秀な技術、あれが帰ってきたときには、一番最初に日本にその内容を詳しく説明を求めてきたのはアメリカの陸軍省、事実です。


石原(慎)委員 ということなんですよね。

 だから、それをむざむざアメリカに渡すこともないし、アメリカのお墨つきでつくる必要はない、日本のイニシアチブでつくったらいい。それは、アメリカに対する日本からの力にもなるんだ。

 それに絡めての話でありますけれども、日本にありますアメリカの基地の一つに、横田の基地があります。

 これは、私が代議士のころからこれを何とかしようと思って、土井さんが社会党の委員長のときからアプローチしている。社会党も、東京のど真ん中にこんな基地があるのは知らない。国対委員長の村山のトンちゃん、それで仲よくなったんです。おまえら、そんなことを知らずに基地反対なんてちゃんちゃらおかしいと言ったら、どこにあるんですか、東京の真ん中、東京にそんな基地があるんですか、行ってみろと言って、彼は行ったんだ、篤実に。いや、でかい基地ですな、あれは返還で、市長の選挙をやる、手をつなぎますと。今の社会党では、基地を取り巻くように人は集まらないぞ、せいぜい三百人で門を塞ぐぐらいだなと言ったら、果たせるかな、そのていたらくだったんですがね。

 総理、これをちょっと見てください。(模型を示す)

 この黒いのは、かつてのアメリカの空域だった。それで、東京から西、大阪、福岡、ソウルに行く路線というのは一車線往復しか飛べなかった。正面衝突の事故が起こりそうになって、一人、乗務員が死にました、急上昇、急降下で。それで文句を言ったら、やっと彼らはこれをあけてくれたんですがね。ですから、二車線往復ぐらいになった。しかし、これは予備地を入れたら四千メートルの滑走路なんですよ。つくろうとしたら二本できるんです。しかも、これは全然使わせないんです。

 森君が総理大臣のときに、日韓両方でワールドカップがありました。そのときに、要するにCIQの検査なしで、日本と韓国がお客も選手もCIQ抜きで、横田を使って、これを使おうじゃないかと。向こうも、金浦の空港ができた、仁川があいているから、非常に喜んで、やろうと思ったら、何とアメちゃんが、その期間に突然、このほとんど使っていない滑走路が向こう五十年間対応できるように舗装工事を始めろと言って、日本の国費でこれをリカバーしたんですよ。こんなことがまかり通っているんだ。

 とにかく、日本の飛行機がヨーロッパから帰ってくるでしょう、この上は通れないんだ。一回どっち側か太平洋へ出て戻ってこないと成田や羽田に着けないんですよ。こんなばかなことがいまだにまかり通っている国というのはあるんですかね。

 それで、この返還のために私は代議士のころにやってきましたが、金丸何がしが自民党を仕切っているときに、これを問題にしてくれと言ったら、わかったと言うけれども、なぜか知らないけれども、時期尚早とそのうちに打ち切られちゃった。

 知事になってからやり出した。いまだに遅々として進まない。このために毎年日米で行ったり来たりでシンポジウムをやっていますが、アメリカ側は非常にこれに対して同情的で、ただ、空軍だけは自分の持ち物だから渡したくないけれどもね。

 去年、前の日本部長ジアラ、これは一生懸命やってくれている、前の日本全体の総司令官のフォールという大将も含めて、引退しましたが、彼も来てくれて、確かにこれは余計だということで、とにかく考えようじゃないかというシンポジウムに来てくれたら、外務省のばかが何を言ったか。北米局長がシンポジウムの前の日に、ジアラとフォール大将を呼びつけて、横田の問題は日本国家イシューじゃない、小泉のときはそれを問題にしたかもしれない、今は問題にならない、だから、あなた方は物を考えて発言しろと圧力をかけたんだ。シンポジウムの後に二人が私のところに来まして、こんなことを北米局長に言われましたと。

 しかも、今までは毎年このシンポジウムに日本側からも外務省、国交省それから防衛省の代表が出ていたのに、そのときだけ外務省は来なかった。何で来ないんだと言ったら、一地方の行事に国が参加する必要はないと言うんだ。私は、外務省の前原君の大臣室に着いて、まあ前原君はまだなりたての外務大臣で知らないんだろうけれども、北米局長を面罵しましたよ。きさまはどこの役人なんだ、おまえはどこの国の役人だと言ったら、のうのうと二人とも日本ですと。日本人だったら、この問題を知っていたら、せめてシンポジウムに下っ端でも役人を送るね。

 これを、論拠もなしに、もはや国家のイシューじゃないようなことをどうして北米局なんかが言えるんですか。こういう外務省の体質を、外務大臣、考えて、やはりあなた、変えてもらいたい、本当に。ああ、外務大臣じゃないのか、失礼した。

 これについては言いたいことがいっぱいあるんだ。腹が立ってしようがないんだ。

 それで、アメリカの公文書を見ますと、日本にあるアメリカの空軍基地で非常にフェータルに、致命的に大事な空港は三つしかない。三沢、それからなぜか岩国、それから嘉手納ですと。これはただのロジスティックベースで、一番使われたのは、ベトナム戦争のときに、向こうで戦死したGIの死体を持ってきて、つなぎ合わせて、それを送り返すその作業場だった。その話を大江健三郎君が「死者の奢り」というおもしろい小説に書いていますけれども。それしか使ったことがないんですよ。

 今、せいぜい何機かの輸送機とヘリコプターがやっているだけで、ほとんど使われていない。その一つの証拠に、こちらのメーンオフィスから、向こう側に管制塔がある、普通、行ったり来たりするでしょう。滑走路を横切るわけにはいかないから、滑走路の末端だけれども、そこに普通だったら地下道をつくって向こうへ抜けていくのに、いまだに青、赤の信号でやっているくらいののんびりした使用密度しかないんですよ。この空港をとにかく使いませんと、国交大臣もブリーフィングを受けて御存じだろうけれども、あと五年で日本の国際線はパンクしますよ。そうすると、国力の衰退につながるんだ。

 私は、トム・ドナヒューというアメリカの商工会議所の会頭がいるんですけれども、友達で、彼は依然として共和党の支持者で、今度は絶対にオバマが負けるから、そうなったら、おれはあなたに協力して横田をとにかくやろうと言っていたけれども、オバマが再選しちゃったので、ドナヒューはどうするかわかりません。

 彼が、商工会議所の会頭として、石原、一番言いたいのは、とにかくビジネスジェットをもっと簡単に入れてくれ、大きなビジネスが日本にはたくさんある、むしろシナ以上にある、どこの国もそう思っている、技術も日本はたくさんある、いろいろなもので日本に私たちは関心を持っているんだけれども、大きなビジネストークに行こうと思っても、ビジネス機が飛べない、二カ月前に申請しなきゃいけない、こんなややこしい国があるかと。まさにそうです。

 だから、太田さん、せめてビジネスジェットの発着だけは共同使用したらいいんですよ。それで、これに乗ってくる連中はかなり裕福だから、あそこから、ちょっと値段は高いけれども、ヘリコプターで都心に来たらいい。そのために、とにかく共同使用。本題はこれは返還されるべきものだけれども、共同使用のその最初のステップとしても、何とかとにかくビジネスジェットだけ優先的に入れる。

 これは、本当の空港にしますと、電車をつけたり、あそこの非常に混み合う、何号線ですか、道路の拡幅をしなければならない、インフラの整備が必要なんですけれども、いずれにしろ、まずビジネスジェットを入れてこれが非常に頻繁に利用されるようになれば、この空港の存在価値というのはもっと大きくなっていきます。

 いずれにしろ、総理、あと五年で日本はパンクするんです。だから、私も知事になって危機感があったので、今どこに行っちゃったかわからない、亀井静香が自民党の政調会長のときに、どこにいるんだ、あいつは。(発言する者あり)緑の党、何ですか。聞いたことないな。彼とやって、国交省を恫喝して、とにかく四本目の滑走路をつくらせたんですよ。これは非常に早くできた。

 ただ、一年ぐらい予想以上におくれたのは、やはり利権で、工法が、メガフロートと埋め立て式、半分埋め立て、半分桟橋。結局、半分桟橋になった。これも、多摩川の中に桟橋がかかるなんということは、国交省ができないで建設省だったら絶対やられなかったことができるようになった。これは内閣の再編成のおかげなんだ。

 いずれにしろ、そこまでしてやったんですけれども、それでもなおとにかく需要に追いつかない。今、三十数カ国でしょう、日本に乗り入れを希望している外国は。

 これは、話が長くなったけれども、総理、国運というものを将来考えたら、あなたが督励して、要するに各省連帯で横田の再利用、共同利用というものを取りつけてください。お願いします。


安倍内閣総理大臣 横田基地は在日米軍司令部が置かれていて、今委員が指摘されたように、有事の際に兵たん機能を果たすということで、なかなか、返還あるいは軍民共有ということにおいて、アメリカ側が、はい、わかりましたということにはなっていないわけであります。

 しかし、小泉政権時代に、当事の石原知事から、私が官房副長官だったときに、これをぜひ交渉を始めてもらいたいということを言われまして、そのときに、小泉・ブッシュ首脳会談、クロフォードで行われた首脳会談に私は陪席をしておりましたが、紙を出しまして、そして、小泉総理からブッシュ大統領に、日本側の考え方としての軍民共有等についてのお話が先方に出されたわけでございますが、残念ながら、今日まで成果が出ていないということであります。

 確かに、おっしゃられるような課題がたくさんあるということを頭に入れながら、米国側も受け入れられる形で何があるかということを考えていきたいと思っております。


太田国務大臣 今、軍民共用の御答弁がありましたが、空域のさらなる返還ということについては、さらに調整をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。


石原(慎)委員 さらに、基地の問題について申し上げますと、今、アメリカが非常に難渋している第七艦隊の航空母艦の艦載機の離発着の問題ですけれども、NLP、ナイト・ランディング・プラクティス、これはかつては三宅島にやろうということだったんです。私の選挙区でもあったんですよ。当時の政調会長の藤尾が、青嵐会の仲間ですが、あの人も剛直な人だったけれども、ややちょっと権柄ずくで、政調会長はすごく偉いんだと自分で言って回るぐらいのおもしろい人だったんだけれども、三宅島へ行っても威張りまして、つくってやるみたいな言い方をするから島民が反発して、結局、島民の投票結果は僅差で負けたんですよ。

 三宅島といったら、十何年ごとに噴火を繰り返して、非常に厄介な島なんですけれども、今も本当に疲弊していますが、かつての噴火でできた溶岩の台地があって、これを活用したら簡単に滑走路ができるんです。しかも、航空母艦みたいに、周りは海だから。

 それで、私、知事になったばかりのときに、三宅も災害で島民が避難するような事態があったんですが、そのときに、当時のベーカーというアメリカの大使、昔から知っていて仲がよかったので、彼をヘリコプターに乗っけて、招待して、ピクニックを兼ねて行って、これ、どうだと言ったら、ベーカーが喜んで、これはもう絶好じゃないか、何でできないんだろうかと言うから、それは君らの次第、日本の政府の次第でと。

 私、今度村長もかわりましたので、前の村長にも話しましたが、場所を選べば、全然、とにかく騒音の被害も何もない地形があるんですよ。これはぜひ考え直していただきたい。

 というのは、日米にとってとてもいいことなんです。今、岩国へNLPの艦載機を持っていって云々としているけれども、あんな遠いところへ、要するに、艦載機の整備の要員というのは全部日本人ですから、この連中はあんな田舎へ行きたくない、それから、家族もみんな厚木の周りに住んでいて、行きたくない。横須賀に基地を置くんだったら、あそこから飛んでいってNLPを三宅でやれば、燃料も食わない。今、硫黄島でやっているんでしょう。こんなばかな支出は必要ないと思うので、これはやはり、もう一回私も努力しますが、島のためにもなるし、アメリカにも好ましいこと。何で岩国になんて固執しているのか、私わからないんですが。

 これはぜひ御一考いただきたい。


安倍内閣総理大臣 詳細については防衛大臣が答弁いたしますが、岩国においては空母艦載機五十九機を厚木から受け入れることにしているんですが、これは、米軍再編全体の中で、各地域がそれぞれ沖縄の負担を軽減するという中において、ぐるっと回っていく中において、岩国基地が、厚木からの空母艦載機五十九機と、あと普天間の空中給油機を十二機受け入れることになっております。

 しかし、もちろん、地域としては、NLPはやってもらっては絶対困るという強い要請がございます。その中において、現在、硫黄島において暫定的に行われているものをどうするかということについては、考えて、検討していく必要があるだろうと思っております。


小野寺国務大臣 岩国への移転については、今総理が申し述べたとおりでございます。

 NLPにつきましては、今、防衛省としましては、馬毛島を中心にさまざま調査を行っている、そのような状況にあります。


石原(慎)委員 ですから、至近の距離にある三宅島が噴火で疲弊して、なかなか立ち上がり切れずにいるんですよ。その救済にもなりますし、要するに、役人が決めたことをなかなか役人は変えたがらないけれども、それはやはり政治家のリーダーシップで、もうちょっとフレキシブルに物を考えるような、そういう指導をしてくださいよ。

 私は、閣僚をやるたびに同じことを言われたんだ、国が国がと。新大臣は役人がお嫌いでしょうけれども一生懸命やりますからと言うから、私は嫌いじゃないと言った。お好きですか、好きなわけない。何ですかと言うから、軽蔑しているだけだと。発想力がないんだから。しかし、これは無理ないんだね。

 とにかく、最近では総理大臣が一年ごとにかわる。あなたは頑張ってください、長生きして。とにかく、閣僚なんか一年しかかわらない。役人からしたら、どうせかわる政治家に大臣面されて何ができるかと。彼らは自分たちの取り柄は何かというと、コンティニュイティーとコンシステンシー、継続性と一貫性。この変化の時代に継続性、一貫性でやられたら、国の行政なんて硬直して進むわけないですよ。

 そういう点で、三宅島の窮状を見て三宅島の地ならしもしましたし、とにかく、これはもう一回提案するということをアメリカ側にも話していただきたい。

 それから、繰り返し申しますけれども、今度ワシントンにいらしたときに、小泉君がやったみたいに、やはりこの横田の共同使用、やるなら返還を、ナショナルイシューとして総理の責任でもう一回登録していただきたい。それじゃないと、外務省のばかはおずおずおずおずするだけで、国務省に気を使って、何にもこの問題については手を染めようとしない。本当に情けない役所になっちゃった。

 次の問題になりますが、これまた日本の国家官僚の硬直を象徴する一つの大事な案件でありますけれども、日本の国家の会計制度について私は非常に懸念を持っているんですよ。

 日本の会計制度というのは、明治十二年から十八年までは、明治の先覚者の福沢諭吉の提唱で、一種の複式簿記だったんです。

 ところが、明治二十年になって、岩倉具視の視察団がヨーロッパに行きまして、まあフランスとかいろいろな国に行ったんでしょうけれども、最後にドイツに行った。ドイツを強引に統合したビスマルクに会って、ドイツは近代化に確かに出おくれをとった、しかし今では成功しつつある、後発して先進国を目指す国家にとって何が必要かといったら、国民によらせろ、知らしちゃいけないと。民にはとにかくよらしむべし、知らしむべからずということを言われて、そうかということで、一番見えにくい単式簿記が明治会計法となって採用された。以後、全然変わっていない。

 大福帳と同じでして、こんなばかな会計制度をやっている国は、見回してみると、北朝鮮とパプアニューギニア、フィリピン。マレーシアは最近までそうだったけれども、変えましたな。

 とにかく、そのせいでこの国には健全なバランスシートがないんです。財務諸表もないんです。私は、国会に公認会計士の資格を持つ人、これに詳しいのは何人いるか知りませんがね。大蔵省の出身じゃだめよ、これは大蔵省の出先でしかないんだから。

 都議会にいるときに、都議会に東村君という非常に優秀な公認会計士出身の議員がいまして、この人がとってもよくわかってくれて、周りを説得してくれたんです。自民党も説得された。それで、やっと発生主義、複式簿記にした。これは、ちょうどそのときたまたま、私と同年齢の中地さんという日本公認会計士協会の会長がいまして、彼に、とにかくこの国はバランスシートがない、財務諸表もないんだ、新しい公会計制度をつくってくださいと言ったら、彼が最初に非常に機能するバランスシート、おもしろいバランスシートの方式をつくって、それをベースにして、要するに発生主義、複式簿記にしたんです。

 同時に、これは法律で決めたんですか、私は詳しく知りませんけれども、政府は、いつのころか知らぬけれども、地方自治体に外部監査を入れろと言っているんでしょう。結構ですな。外部監査を入れると、公認会計士が非常にいろいろなことを指摘して、小さな無駄、大きな無駄がわかってきて、実に東京都は財政再建のための大きなよすがになりました。

 国は何で外部監査を入れないんですか、財務大臣。


麻生国務大臣 幾つかお断り等申し上げておきたいと思いますが、国の予算と決算につきましては、これは御存じのように、現金主義と言われるものが採用されておりますのは御存じのとおりです。

 問題は、それから後が、ちょっともう少しいろいろ調べていただくとわかったんだと思いますが、発生主義、いわゆる複式簿記を含めて発生主義というのは、いろいろな意味から、確実性、客観性、透明性というのは即は出ませんから、あっちの場合は。複式簿記で借方、貸方がわからぬ人にはあれを見ても何の意味だかわかりませんので、そういった意味では、我々としては、方法としては、いわゆるストックとフローの両面から、はっきりわかりやすくしてあるのはこっちの方だと思っているんですが、少なくとも、今言われたような複式簿記、発生主義につきましては、今既に、平成十五年から、東京都は平成十八年からしておられるんだと思いますが、平成十五年から国の財政についても、参考情報としていわゆる財務諸表という書類を、財務書類を作成してこれに取り組んでいるというのが事実でありまして、私も見ましたけれども、確かにそういうものができております。これをやっておりますのが一つ。

 もう一点は、海外について見てみましたけれども、海外につきましても、同様に、これと同じようなやり方をしておりますのは、少なくとも予算につきましては、日本、アメリカ、フランス、ドイツ、いずれも現金主義。そして、決算につきましては、いわゆる議決の対象として、現金主義、現金主義、現金主義、いずれも現金主義なんですが、財務諸表というものは、間違いなく作成しておりますのは日本、アメリカ、イギリス、フランスで、ドイツだけが作成していない、財務諸表ですら。というのが、私どもの調べた平成二十五年度におけます情報です。


石原(慎)委員 それは大分違いますな、実態と。

 知事時代に、何で国はきちっと発生主義、複式簿記にしないんですかという問い合わせをしましたら、こういう文書が返ってきた。財務省では、国の財政活動についてより一層国民の理解を促進するため、平成十五年度決算分、平成十七年九月公表より、毎年、発生主義、複式簿記といった企業会計の考え方及び手法を参考として国の財務書類を作成して、公表しているところである。

 この財務書類というのを見せてください。下さいよ、資料として。いいですか。その上でまた具体的な議論をしましょう。

 いずれにしろ、FIAC、フィアックが、会計処理に関する世界組織でありますけれども、これが二〇〇〇年にエジンバラで最新の会計制度を決定しましたが、当然、日本もこの新会計制度にすべきだけれども、していませんね。なぜですか、これは。


麻生国務大臣 調べて御返答申し上げます。


石原(慎)委員 単式簿記がすなわち現金主義だとも言い切れませんけれども、とにかく税金だけの管理では事は済まないのでして、会計制度のしっかりしているものならどこが使っても、民間だろうと政府だろうと自治体だろうと結果は同じだと思いますが、その新会計制度をいまだに使わないことが問題で、怠慢というか、疑問と言わざるを得ない。

 イギリスでは一九九四年から発生主義を採用して、以来、イギリスの国会議員というのはみんな簿記の勉強を始めているそうですよ。イギリスは二年ごとに複数年度の予算をつくっていますけれども。

 とにかく、この国の会計制度では、金を使って売り上げを伸ばすという発想がない。損益計算書には税収が載っていないので、収益を上げるための税金の使い方という発想が欠けていて、本当に歯がゆい。

 それで、国が依然として世界でプリベーリングな会計制度を採用していないことを経団連が知らないんだね。おかしな話だ。豊田章一郎にその話をしたら、そんなばかなと彼は言うんですよ。あのトヨタだったら当たり前のことだ、企業にとってみたら。

 それから、前の会長の御手洗さん、あの人に私はゴルフクラブで会ったんです。そのときに、もう一人、何か後で聞いたら、尊大なやろうだったけれども、どこかの銀行の頭取がいて、もう一人、前の日銀の総裁の福井さんがいらした。それで私が、あなたがしっかりして国の会計制度に文句言いなさいよと言ったら、そんなばかなと御手洗さんが言う、そんなことあり得ませんよと。その銀行の頭取なる人物も、傲然としてそんなばかなことはないと言ったら、あの温厚な福井さんが最後に、いや、皆さん、実は石原さんのおっしゃるとおりなんです、国はいまだに単式簿記なんですよと言ったら、二人が絶句したんです。今の何とかというおもしろい顔をした経団連の会長がいますが、あの人も、名前何て言ったっけ。(発言する者あり)米倉さん。米倉さんにも言ったら、この人も知らなかったね。

 これはおっかない話で、経済団体の雄たちが、まあ、いろいろな形で関係のある国の会計制度というものがこんなにずさんなものかということを知らずにいた。

 私、あなたから資料を提出するのをお願いしましたけれども、それをベースにして、この次またこの問題についてもうちょっと精査を、専門家を交えた、うちの党にも公認会計士がいるそうですし、できたら、総理、この問題について特別委員会をつくって専門的な協議をして日本の会計制度を合理化しないと、この国はもちませんよ、役人天国で。どうですか。


安倍内閣総理大臣 この単式簿記、複式簿記の問題については、ただいま財務大臣から答弁をいたしましたように、平成十五年から国としては財務書類、東京都でいう財務諸表を出しているというふうに私は承知をしておりますが、いずれにせよ、委員会において、他の委員会もございますから、議論をしていただけたら、このように思います。


石原(慎)委員 次いで財務大臣にお伺いしますけれども、円高の理由というのはいろいろあるでしょう、これは日本にとっても非常に貿易関係の人には困ったものでしたが。これは、私はこれなりのいわれがあると思うんですよ。

 とにかく、この国は、合わせて九百三十八兆ですか、一千兆に近い債務を抱えている。地方の分が二百兆ぐらいですか。ただ、金がだぶついているんですな。それで、個人の金融資産というのは、株とか現金とか、たんす預金もそうだし、掛け捨てでない保険とか年金も含めて、まあ年金はぎりぎり使うんでしょうけれども、でも千五百十五兆もある。

 このだぶつきを見れば、しかも、国債はほとんど銀行が買い、国民が買っているので、国のポケットから左のポケットに移るだけの話で、これを見れば、やはり、世界で通貨のマーケットをやっている連中たちが日本の円に期待するというのは無理からぬ話じゃないかという気がするんですね。これは日本にとって迷惑な話ですけれども。

 この間、ある新聞のトップリーダー、うるさい人ですが、この人からおもしろい話を聞いたのは、日銀はちゃんとつかんでいるそうですね。それはそうでしょうね。十円銅貨を何万枚、何億枚出したとか、一万円札を何枚出したか、あるいは、小渕君のときにやった二千円札を何枚出したか知っているわけですね。それで、いまだに旧一万円札、聖徳太子がどこかで二千億眠っていると。中には火事で焼けたものもあるかもしれませんが。

 ある人が、そろそろ、ちょっと時間もたち過ぎたし、何となく後ろめたいし、使いにくいから、百六十億、とにかく税理士に頼んで新円にかえてほしい、福沢諭吉にかえてほしいと。ある人は三百億頼むと言ったそうですよ。そうしたら、税理士が、この蓄財はもう既に何だろうと時効にはなっているけれども、これはちょっとやはり額が額だけに問題になるかもしれませんと言ったら、じゃ、やめたと言ったんだ。

 二千億全部がどこかに眠っているか知りませんが、これは一つの事例でして、とにかくこのだぶついているお金の使い方が見つからない。何で使い切れないんですか、これ。


麻生国務大臣 まず最初に、個人金融資産、ほぼ一千五百十兆、正しい数字だと存じます。

 その中で、現預金が約八百兆を超えていると思います。そのお金が、ほとんど金利がつかない状況にあるにもかかわらず、金庫並びに貯金にたまっておるという状態が続いております。

 これは、今これだけ不景気といいながら、金利がつかないにもかかわらず、さらに現預金、金融資産はふえておりますので、そういった意味では、今でもまださらにふえ続けているという状況にあります。

 これがありますので、傍ら、御存じのように、政府が金をこれから借りておるわけですけれども、政府は、銀行経由もしくは郵便貯金経由で国債というものを売るわけですけれども、政府の借金がたまり、こちら側に個人の預金がたまる、貸方、借方でいえばそういうことになるんですが、その状況にあります。

 今、政府として、この二十年間、九二年から土地の暴落が始まっておりますので、一九九二年から今日まで約二十年間にわたって土地が暴落をし、また、株はその前の一九八九年から暴落しましたので、当時は三万八千九百十五円、これが最高値だったと記憶しますが、それが一時七千何百円、八百円まで落ちました。そういった意味では、国民の資産という名の動産が四分の三、土地も、百坪、百万円が十五万円ですから、八五%ぐらい土地という名の不動産も暴落という、デフレーションによる不況というのを、石原先生、多分戦後初めて、戦後というのは、昭和二十年、六十七年間で初めて、我々はデフレーションによる不況というのを世界で初めて経験しているんだと存じます。ほかの国でデフレーションの不況はありませんから。全てインフレの不況しかありませんので。

 はっきり言って、日本銀行も大蔵省も政府も何も全部、学者を含めて、デフレ対策というのをやった経験者はゼロですから、したがって、デフレというものを勉強しようと思えば、デフレは歴史に学ぶ以外に方法がなかったんだと存じます。

 多分、デフレを最近でやったのは、一番直近では、一九三〇年の高橋是清大蔵大臣、多分あのころは犬養毅内閣、斎藤実内閣のころだと存じますが、そのころにやった以外はないんです。

 したがって、少なくとも過去二十年間、その対策は非常に遅々として、何となくやってみたり、やらなかったりという状態が続いていたんだと思いますが、三年間の民主党の政権のあれを見て、そのまた前に続いた自民党の十七年間も見て、いろいろな経験を積んだ結果、今回、安倍内閣において、金融の緩和と財政の柔軟な出動とそして成長戦略、この三つを同時にやる。これを高橋是清のときもやっておりますけれども、これと同じことをやるという決意をしてここに進んでいるんです。

 これで初めて、今、寝ている金を動かさぬとどうにもならぬ、そこが一番の問題なのであって、それをどうやって動かすかというのは、個人が消費をするか、もしくは民間が設備投資をするかしない限りはこれは動きませんので、そこをどうやって動かすかという刺激策が今後我々としては最大の課題になるだろうと思いますが、まずは金融の緩和からスタートし、それにあわせて財政を出動させ、そして今、こういった形の予算をお願いしておりますけれども、プラス企業のいわゆる成長戦略というものが加わって、それで初めて消費が加わってくるんだというように思っておりますので、少しタイムラグがあるとは存じますけれども、その方向で事は動かしていかねばならぬと思っております。


石原(慎)委員 金融の緩和といっても、日銀にたくさん金を刷らせて、それで結局銀行に国債を買わせて抱えさせているんじゃ全く意味ないですわね。やはり、例えば設備投資の減税とかその他この他で、アクティブに経済が動くようにやってくださいよ。

 高橋是清の話が出ましたが、実は、あのときの大蔵の事務次官というのは賀屋興宣先生だった。私は賀屋さんに私淑した一人ですけれども、あれは初めて統制経済をやったんですね、戦争の近いこともありましたけれども。そういったものが私は今日どういう意味合いを持つかわかりませんが、とにかく、あなたのおっしゃるとおり、デフレの不況というのは未曽有のことでして、これはなかなか本当に克服するのは難しいと思いますけれども、頑張っていただきたい。

 もう一つお聞きしますが、要するに、国と地方が抱えている債務の総額が、九百四十八兆ですか、千兆近いものがある。

 しかし、債務、借金でも、返す必要のない借金もあるわけですね。それから、財産になるものもあり得るわけです。この九百八十六兆ですかという債務の中にもかなりこれがあると思うんですが、これに見合う資産の取得原価、この時価での一覧表があったら、ぜひ参考に出していただきたいので、よろしくお願いします。


麻生国務大臣 一つだけ、先ほどの複式簿記の話ではありませんけれども、政府が持っている場合、いろいろなものを負債ではなくて資産に計上するわけですが、その資産の中に、例えば税金を取れる権利、徴税権、お金を刷れる印刷権、造幣権というものを幾らで評価するかというのは、これはなかなかできないところなので、そこらのところが多分、各国皆、最終的に複式簿記というものを予算のときに計上することはできないということになっておられるんだと、これはイギリスから聞いた話ですので、ほかのところはもうちょっと調べてみないとわかりませんけれども、そういったことなんだと私は思っております。

 ただ、今言われたように、道路やら富士山やら、国有地は一体幾らで計算できるのかと言われると、ちょっとなかなか簡単にはいかないところだろうとは思いますけれども、一応のものみたいなものをかつてつくった経緯がたしかあったと思いますので、今それが現存しておりましたら、御提出いたします。


石原(慎)委員 いずれにしろ、また繰り返しになりますけれども、会計制度というものをもうちょっと合理化して、せめて企業並みに能率的なものにしませんと、これはアベノミクスのバリアになりますよ。

 だから、総理、アベノミクスを成功させるために、会計制度というものをやはり一新させる必要があると私は思います。

 民主党のマニフェストを読んでいますと、マニフェストの八に、会計制度を変えますと、税金の使途がはっきりわかるということで、国民の納得を得られるとありますが、民主党も、余りいいことをしなかったけれども、いいことだけは言っているので、これはひとつ心にとめてお考えいただきたい。

 最後に、担当の大臣は要らないと言ったんですけれども、これは総理に一つの政治家の哲学として御記憶いただきたいんだけれども、私は、代議士のころ、四十年近く前に東京のよみうりホールで、ブラックホールを見つけたホーキングという天才的な宇宙学者の講演を聞きました。彼はそのとき、筋ジストロフィーにかかって、もう声も出なくて、コンピューターを腕で打って人造語で話していましたけれども、彼は、この間のロンドン・パラリンピックでもそういう形でメッセージを出して、非常に喝采を浴びたそうです。

 そのときに、まあまあの話でしたが、質問が許されまして、ある宇宙物理学か宇宙専門の学者の一人が、この宇宙に地球並みの文明を持った星が幾つぐらいあると思いますかと言ったら、ホーキングは言下にツーミリオンと言った。私はびっくりした。太陽系宇宙だけじゃないですよ、全宇宙で。

 そうしたら、ある人がまた手を挙げて、それだけたくさん文明の進んだ星があるのに、何で我々はハリウッドのくだらない映画じゃなしに実際の宇宙船とか宇宙人にこの地球で出会うことがないんでしょうかと言ったら、ホーキングが、いや、それは違う、せめて地球並みの文明を持ったら、そういうプラネット、惑星は非常に自然の循環が悪くなって、宇宙時間でいうと瞬間的に生命が消滅すると言ったんです。

 私はびっくりしまして、ホーキングは、神様ではありませんが、一応天才ですから。私は、挙手しまして、あなたの言う宇宙時間の瞬間的というのは地球時間でどれぐらいですかと言ったら、百年と言いましたな。あれから四十年たっちゃった。彼の予言が正しいとするなら、あと六十年しか、地球は、あなた方はもたない。

 私、この問題というのは、人間というのはみんな欲望で、欲望の象徴というのは経済、経済の象徴は金ですから、金、金、金でうつつを抜かしているけれども、ヨーロッパの経済が不振だとかアメリカがどうだとか日本がどうのこうの言っていますが、過去のG8でこの環境問題を余り深刻に討論したことはないんですね。少なくとも過去の三年間、G8が終わった後、政府のスポークスマンに記者たちが、メディアが、環境問題について討論しましたか、進歩はありましたかと言ったら、いや、余りしなかったが、でも半歩は前進したというのが三年間続きました。三年で半歩前進じゃ、これはいかにも遅過ぎるんですよ。

 NASAのハンセンという非常に優秀な主任教授がいますけれども、彼が、北極海の氷はあと二十年たったら解けるというのが、あれからもう七年たちましたな。あと十三、四年たつと、どんどんどんどん氷が解けて、北極海というのは航路になるかもしれないんだが、しかし、その結果、ヒマラヤの氷も解け、私も数年前に久しぶりに行ってみた、フランスのローヌ氷河を歩く展望台がある、行ってみたら氷河なんか見えないんですよ。地元の専門家に聞いたら、これから百キロぐらい上がっていかなかったら氷河なんか見えない、全部解けて洪水になって流れちゃったと。ヒマラヤの氷も解けている。

 そして、その水はどんどんオーシャン、太平洋、大西洋に注がれて、地球の自転で遠心力がかかりますから、一番どこに振れるかといったら、赤道の直下の島々というのがどんどん埋没しているんです。

 私は非常に興味があるので、知事の時代に、ツバルという、あれは標高が一番高いところはわずか五メートルしかない。アメリカがつくった人工の飛行場がある。それが半分もう水没して、海水の中では主食のタロイモがつくれない。彼らは何をしているかといったら、半分腐ったみたいな、めったにオーストラリア人は食わない、オーストラリアの肉の脂身の多いものをもらって食っていますが、どんどん健康を害して、行ってみたら、年寄りは、その日その日を何とか、要するに朗らかに過ごすつもりですかね、みんなマリファナを吸っていましたな。あれは本当に、ある意味で明るい地獄だと私は思った。

 こういう事態がどんどん進んで、今あちこちに異常気象がある。ニューヨークでもハリケーンが来たり豪雪が降ったり、ワシントンで雪が降ったり、日本でもそうですが、これは当然のことで、異常気象じゃないんですよ、通常気象なんです。

 これを阻止するために日本はいろいろなことをすべきだと思うし、あなたもこれからG8へいらっしゃってどんな主張をされるか知らないけれども、せめて日本の最高指導者が世界全体に新しい危機感を、正当な危機感を抱かせるためにもスピーチをしてもらいたいんです。

 東京は、各国各市、世界に先んじてC40というのに入りまして、企業にも、責任を持ってキャップ・アンド・トレードの条例をつくってやらせていますけれども、こんなものは本当に爪に火をともすみたいな話ですよ。

 ただ、私、昔ある飲み屋で飲んでいたら、昔友人だった開高健の書いた色紙が飾ってあった。焼き鳥の煙で真っ黄色になっていたけれども、いい文句で、なるほどなと思った。それは、あす地球が滅びるとも、君はきょうリンゴの木を植える。たとえあす地球が滅びるとも、君はきょうリンゴの木を植える。開高にしてはいい言葉だなと思って、これは実は調べてみたら、ポーランドの詩人ゲオルグの、この人もマルチン・ルターに非常に影響を受けて、その言葉を考えた詩人ですけれども、たとえ地球があす滅びるとも、君はきょうリンゴの木を植える。

 これは、私たちの愛する子孫に対する責任のささやかな履行だと思うんですが、ぜひ総理、G8でそういう哲学を披露しながら、経済の復興も結構、デフレの克服も結構だけれども、私たちの子孫の生命というものを担保するために、やはりもうちょっと違う意識を持って全体が動かないとだめだぞという警告を発してくださいよ。それをぜひお願いします。


安倍内閣総理大臣 二〇〇七年のハイリゲンダム・サミット、私が出席をしたサミットにおいては、CO2削減が大きなテーマになりました。

 その際、二〇五〇年までに排出量を半減する、そうした大きな目標で一致することができたわけでございますが、ことし開かれるサミットにおいても、当然、環境は大きなテーマになるのであろう、このように思っております。その際、日本は、CO2削減あるいは省エネについては高い技術力を持っているわけでありますから、日本こそリードしていくべきだろう、このように思っております。

 安倍政権としても、環境問題は極めて重視をしております。だからこそ石原伸晃議員を環境大臣に任命したところでございますが、政府一丸となって取り組んでまいりたい、このように思っております。


石原(慎)委員 ありがとうございました。

 時間が余りましたが、これで終わります。どうもありがとうございました。


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